2004年06月30日(水) 00時00分

年金保険料　福祉施設宿舎にも流用 （東京新聞）

　社会保険庁職員の宿舎建設などに年金保険料が「流用」されていた問題で、大規模リゾート施設「グリーンピア」や厚生年金病院などの年金福祉施設の職員宿舎建設にも使用されていたことが二十九日、分かった。総額は約二百二十二億円におよぶ。建設された宿舎の家賃は民間に比べて格安で、無料の施設もあった。社会保険庁は「国家公務員宿舎に準じて、管理する法人が内部規定で決めている。問題はない」と説明している。

　長妻昭衆院議員（民主）の質問主意書に対する政府答弁書で判明した。宿舎総数は約二百六十施設で、保険料から流用された建設費は厚生年金病院関係が約百十二億円、それ以外の福祉施設関係が約九十二億円、グリーンピア関係は約十五億円、年金資金運用基金関係が約三億円だった。家賃は月額数千円の施設が多く、大阪市、盛岡市などの十二宿舎は無料だった。

　また、社会保険大学校（千葉県白井市）のゴルフ練習場の維持費やゴルフクラブ代などにも保険料が使われていた問題で、答弁書では「廃止する方向で見直す」との方針を示した。同庁は「ニーズがなくなっているので、早急に廃止する」と説明している。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040630/mng_____sya_____006.shtml