2004年06月30日(水) 00時00分

不正アクセス事件公判 『証言、犯罪誘発』裁判の公開停止 （東京新聞）

　著作権保護団体のホームページからサーバーに侵入したとして、不正アクセス禁止法違反の罪に問われた元京大研究員河合一穂被告（４０）の公判が三十日、東京地裁であり、サーバーレンタル会社の社員が証人出廷、青柳勤裁判長は証言内容によって犯罪を誘発する恐れがあるとして、憲法などに基づき、裁判の公開を停止した。

　憲法八二条は、裁判は公開の法廷で行うと規定。同時に、公の秩序を害する恐れがある場合などは、公開の停止も認めているが、適用は珍しい。

　証人尋問の途中で検察側が「サーバーの内容構成などが明らかになると、サーバーが攻撃を受ける可能性が飛躍的に高まる」と公開の停止を申し立てた。弁護側も「証言の引用が制限されないのならば」と述べたため、三人の裁判官がその場で合議し停止を決めた。

　法廷には約二十人の傍聴人と取材記者がいたが、いずれも裁判長から退廷を命じられた。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040630/eve_____sya_____010.shtml