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2004年06月30日(水) 15時22分

米BSE、3頭目か産経新聞

 【ワシントン=気仙英郎】米農務省は二十九日、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)の疑いのある牛が米国内で新たに発見され、アイオワ州の検査施設で確認作業を行っていると発表した。牛の種類や、どこで見つかったかなどの詳細は明らかにされていない。再検査の結果は四−七日で判明する見通し。米国では二十五日にも感染の疑いがある牛が発見され再検査が実施されている。三十日までの日程で米コロラド州で行われている米国産牛肉の輸出再開をめぐる日米協議にも影響を与えそうだ。
 再検査中の二頭の感染が確定すれば、昨年十二月の事例に次いで二−三頭目となり、BSEの予想以上の広がりを裏付けることになる。
 BSE感染の疑われる牛が相次いで見つかった背景には、農務省が六月一日からBSEの検査態勢を拡充するとともに、迅速に結果が判明する簡易検査法を導入した影響がある。
 この簡易検査は日本や欧州が使っているものとほぼ同じ試薬を用いる方法で、まず疑わしい牛を検出するため敏感に反応するよう設計されているという。このため、同省は確定検査で「陰性」となる可能性があると強調している。
 同省は昨年十二月のBSE感染牛一頭の発生を受け、検査態勢を拡充。検査対象を昨年までの年間二万頭から約十倍に増やし、今後十八カ月にわたって、足がふらつくなどBSE特有の症状が疑われる牛を中心に月齢三十カ月以上の二十数万頭を検査する計画だ。
 BSE感染の疑われる牛について、同省は「この牛が食肉加工され流通することはない」と消費者や食肉業者に冷静な対応を求めている。しかし、米国内では年間三千五百万頭が食肉になっており、消費者団体などからは「検査対象はまだ不十分」との声が高い。
 米国では昨年十二月、BSE感染牛が初めて確認され、日本など主要国が米国産牛肉の輸入を禁止した。
 日米の輸出再開協議は食肉の安全対策をめぐり難航しており、事態打開へ向け二十八日から三日間の日程でコロラド州で開かれている。(産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040630-00000024-san-int