悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
米連邦最高裁は２９日、インターネット上の有害画像を子供たちが閲覧しにくくする「青少年オンライン保護法」について、「憲法で保障された言論の自由を侵害する恐れがある」として施行を差し止める判断を下した。成人の権利を阻害する恐れのある法規制ではなく、有害サイトに接続できなくするソフトウエアの開発など技術面で対応すべきだとの考えを示し、下級審で改めて審議するよう求めた。
同法は、誰もが見られる状態でポルノなどの「有害画像」をネット上に掲載した業者に対し、最高５万ドルの罰金と６カ月以下の懲役を科すとしている。ＡＰ通信などによると、１７歳未満の子供が有害サイトを閲覧できなくするため、アクセスする成人はクレジットカード番号や暗証番号を入力する仕組みを導入するよう促す内容だ。
クリントン政権下の９８年に成立し、ブッシュ政権も支持しているが、法制定直後から訴訟が相次ぎ、施行が見合わされていた。全米市民自由連合などの反対派は、「業者が成人に対して合法的な画像を提供する権利を侵す内容だ」と主張、施行差し止めを求めて提訴していた。
最高裁は「同法は言論の自由に大きな害を及ぼす潜在性がある」として５対４の小差ながら施行差し止めの判断を下した。そのうえで、「有害サイトへの接続を不可能にするソフトウエアは成人の権利を侵さずに青少年を守る」と指摘し、最新技術を勘案しながら下級審で改めて議論するよう求めた。(06/30 11:35)