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2004年06月30日(水) 08時09分

盗難事件でっち上げ、捜査書類300件偽造 兵庫県警朝日新聞

 兵庫県警自動車警ら隊が、摘発実績を上げるため自転車やバイクの盗難事件をでっち上げるなどし、虚偽の捜査書類を作っていたことがわかった。記録が残っている02年分と03年分だけで、書類偽造は約300件に達しており、関与したとされる警察官は100人前後にのぼる。県警は特別捜査チームを設け、虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで捜査。近く百数十人の処分に踏み切る。

 県警によると、偽造されたのは「少年事件簡易報告書」や、成人に対する「微罪処分手続き書」。自転車やミニバイクなどの窃盗や横領事件のうち、被害相当額が1万円以下だったり、余罪がなかったりして、逮捕や起訴までは至らずに事件処理する場合に作られる。内部調査で、同隊が2年間に扱った約7000件のうち、約300件で書類の改ざんが確認された。

 盗難届が出ただけで容疑者が見つかっていないのに、架空の容疑者名を記入したり、被害者がわからずに処理できなかった盗難事件で、被害者名を勝手に作り上げたりしていた。被害すらない架空の事件をつくりあげ、実在しない被害者や容疑者を書き込んだケースもあったという。

 こうした書類には犯行日時、場所、動機などが記され、被害者と容疑者、容疑者の保護者または身元引受人がそれぞれ署名、押印するが、市販の印鑑を使ったとみられる。

 隊員は、軽微な事件を含めて取扱件数に応じて勤務実績を評価され、昇任や異動、表彰の際の重要な資料になる。処理した書類の原本は最寄りの警察署が、写しは同隊がそれぞれ保管。警察署は一定期間分をまとめて検察庁に報告する。少なくとも十数件は検察庁に報告されたが、大半は同隊に保管され、県警内での隊員の実績づくりに使われていたらしい。

 今年1月、書類を点検した警察署員が被害者欄に記された女性と連絡が取れないことがきっかけで、不正が発覚した。朝日新聞社の取材に対し、ある隊員は「実績を上げるために当事者をでっち上げた」と証言した。

 同隊には約180人の隊員がいる。2人1組でパトカーで巡回し、不審者の職務質問などをする。本部のほかに、神戸、阪神、姫路の3方面隊があり、書類の偽造は全隊に及んでいたとみられる。

 県警幹部の1人は「改ざんされた書類が多数確認されたのは極めて遺憾だ。組織ぐるみだったかどうかなど、事実関係を調査し、厳正に対処する」と話している。

 榊和晄(かずあき)・自動車警ら隊長の話 県警の監察官室が対応しており、コメントできない。(06/30 08:09)

http://www.asahi.com/national/update/0630/007.html