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2004年06月30日(水) 03時55分

三菱自「欠陥隠し事件」 河添容疑者ら起訴方針 2年半の捜査終結へ産経新聞

 平成十四年十月に山口県熊毛町(現・周南市)で起きた三菱自動車(昨年一月、商用車部門が三菱ふそうトラック・バスに分社)製大型トラックのクラッチ系統の欠陥による運転手死亡事故で、捜査当局は業務上過失致死容疑で逮捕した元社長、河添克彦容疑者(六七)ら六人の拘置期限となる七月一日に処分を決め、一連の欠陥隠し事件をめぐる二年半にわたる捜査を終結する方針を固めたもようだ。河添容疑者ら数人が業務上過失致死罪で起訴される見通し。
 調べによると、河添容疑者らは欠陥隠しやヤミ改修などを把握しながら安全情報について精査せず、鹿児島県の男性運転手=当時(三九)=が運転する大型トラックのクラッチを格納する「クラッチハウジング」の不具合によりブレーキが壊れ激突死する事故を引き起こした疑い。河添容疑者は「結果的に死亡事故を引き起こしてしまった」と容疑を認めているという。
 しかし捜査当局は、河添容疑者がクレーム隠し事件発覚当時(十二年七月)の経営トップであり、旧運輸省に「十年三月以前の不具合情報は保存されておらず調査は困難」と虚偽報告することを了承した事実を重視し、起訴が適当と判断したとみられる。
 また三菱ふそうトラック・バスカンパニー元社長、村田有造容疑者(六六)ら四人は、クラッチハウジングの不具合を放置すれば死傷事故が起きることを予見できたにもかかわらず、河添容疑者らに旧運輸省への報告を促すなどせず、山口の事故を引き起こした疑い。
 捜査当局は過去に起きた三菱自動車製自動車の事故について調べた結果、三菱自動車の責任を問うべき重大な人身事故はないとみており、七月一日の処分を機に捜査を終結させる方針。
 一方、警察庁の指示を受け、十都府県が三菱自動車製自動車の人身事故十数件について事故原因を再調査。過失を指摘された運転手らの処分見直しも検討している。
 同事件をめぐっては、車軸の周りを回転する金属部品「ハブ」の欠陥により走行中の大型トラックのタイヤがはずれ、直撃を受けた母子三人が死傷した横浜市内の事故で、三菱自動車幹部二人が業務上過失致死傷罪で起訴。同事故をめぐり国交省に虚偽報告をしたとして、三菱ふそう元会長、宇佐美隆容疑者(六三)ら三人が道路運送車両法違反の罪で起訴された。(産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040630-00000019-san-soci