2004年06月29日(火) 00時00分
お年寄りの被害防止へ、県警などが対策(朝日新聞・)
犯罪に巻き込まれるお年寄りが増えている。空き巣、ひったくり、オレオレ詐欺−−。体力の衰えにくわえ、相談相手が少ないなどの事情があるようだ。お年寄りの被害を少しでも防ごうと、県警と県、市町村が協力して、防犯情報を電子メールで流す「安全情報提供ネットワーク」を始めた。お年寄りや周囲の人たちが注意することは?
03年に県警に届けがあった犯罪は約5万3千件。このうち、65歳以上の高齢者が被害にあった犯罪は4407件で、8・24%を占めた。高齢者の割合は増えており、96年と比べると約1・6倍になっている。
今年1〜5月末までの統計では、空き巣やひったくり、詐欺などでお年寄りに被害が目立っている。空き巣756件のうち3割近い約201件の被害者が高齢者だ。県警によると、一人暮らしの人が、鍵をかけずに外出している間に被害にあうケースが多いという。
ひったくりや置き引きの被害にあったお年寄りは全体の約2割。いずれも女性の被害が多く、昼間に外出した際に被害にあうケースが目立つ。
また、子どもや孫を装って金をだまし取る「オレオレ詐欺」は、お年寄りを狙った典型的な犯罪だ。1〜5月に発生した172件(未遂含む)のうち約2割に当たる38件を占めた。郡部での発生が18件と多く、広島市で14件、福山市で2件だった。
今年1月には甲奴郡の70歳代の男性が孫を装った男から「じいちゃん、金が必要になった」などと電話を受け、計1千万円をだまし取られた。豊田郡の80歳代の女性も250万円をだまし取られた。
「安全情報提供ネットワーク」は、県警が月1回、県内全市町村の高齢者福祉などを受け持つ部署に防犯情報を電子メールで送信。その情報を公民館に掲示したり、老人クラブのメンバーや民生委員などに伝え、高齢者に注意喚起してもらう仕組みだ。初回の6月14日、「オレオレ詐欺」に関する注意点を送った。
被害者は「オレオレ詐欺」の多発を知っているが、電話があると「頭が真っ白」になる▽被害者の9割余りが誰にも相談していない−−などの分析を紹介している。
一方、交通事故でもお年寄りの死亡事故が急増している。今年に入って101人(27日現在)が亡くなり、うち高齢者が41人を占めている。
県警の梶原恒志・減らそう犯罪情報官は「お年寄りは他人と交流したり、情報に触れたりする機会が少なく、社会システムから取り残される傾向にある。一番ねらわれる人が、防犯情報を知りにくい立場に置かれているので、これからも具体的なサポート態勢を考えていきたい」と話している。
(6/29)
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news02.asp?kiji=3751
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