悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
国費から捜査員個人の口座に入金される「捜査旅費」を、京都府警の複数の部署が捜査員から通帳などを預かって一括管理し、勝手に金の出し入れをしていたことが29日、複数の現職警官の証言でわかった。
大半が本人に渡っていなかった疑いが強い。一部が打ち上げなどに「裏金」として流用されていた、との証言もあり、府警は実態解明に乗り出した。
捜査旅費は広域捜査の際などの交通費、宿泊費などで日当も含まれ、以前は会計担当者が一括して受け取るなどしていた。透明化のため1997年4月から捜査員個人の指定口座に振り込まれるようになったが、通帳やキャッシュカードは、部署の幹部や庶務担当者らが一括保管していた。
しかし、旅費は全く支給されなかったり、支給されても交通費など実費だけのケースがほとんど。年数回に分けて計約1—3万円を全員に支給していた部署もあった。
北海道警の裏金問題発覚などを受け、京都府警の多くの部署は捜査員本人に通帳類を返還。最近、上司から返還された捜査員の通帳には、数か月に1回のペースで多い時にはまとめて5万円以上が引き出された記録があった。
ある元幹部は「捜査上や組織を回していく上で欠かせない金もある」と旅費からの裏金作りを認めた。
98年度からの5年間に府警に支払われた旅費総額は約21億円。
米田壮(つよし)・府警本部長の話「一括保管が事実なら不正の疑いをもたれかねず、極めて遺憾。本年度から捜査旅費の個人口座を給与振込口座と統一するなど、会計の明朗化を図っているが、過去の実態を調査し、厳正に対処したい」