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2004年06月28日(月) 03時08分

松本サリン事件から10年、教団「尊師に帰依」今も読売新聞

 オウム真理教による最初の無差別大量殺人となった松本サリン事件から、27日で10年が過ぎた。

 教団は、今も麻原彰晃こと松本智津夫被告(49)を信仰の対象にし、それは松本被告に死刑判決が下された今年2月以降も変わっていない。

 一方で、被害者の苦しみは続いている。この日、長野県松本市で開かれたシンポジウムでは、河野義行さん(54)の長男、仁志さん(25)が、容疑者扱いされた父親と意識が回復しない母親を支えながら過ごしてきた日々を語った。

 松本被告の1審判決から約1か月後の今年3月、教団幹部が説法会で、「これからも中心は尊師だ」と述べ、松本被告への帰依を強調していたことが、警察当局の調べでわかった。教団は昨年10月以降、松本被告の存在や権威を再び前面に出して指導する傾向を強めており、判決後もその方針が貫かれている実態が明らかになった。

 この説法会は、3月下旬、関東地方の施設で行われた。教団の運営方針を決める幹部5人のうち1人が、在家信者数十人を前に「尊師が死刑になっても滅びるのは肉体だけで存在は絶対」「24時間、思い続ける対象にすること」などと指導した。

 教団は判決当日、遺族や被害者に謝罪する一方で、機関紙では過去の松本被告の説法を度々引用し、信者に松本被告への帰依を求めている。背景には、昨年6月、教団の「脱松本色」を掲げた上祐史浩代表(41)の“改革”が、わずか4か月で頓挫し、上祐代表が表舞台に姿を見せなくなったことがある。

 ただ、最近では「上祐代表が復帰に前向き」との情報もあり、警察当局は「求心力のある人物が戻ることで、結束が強まる恐れがある」と警戒している。

 一方、警察当局は、特別手配中の平田信(39)ら3容疑者の捜査も続けているが、今年1月以降の情報は2件しかなく、情報提供を呼びかけている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040628-00000201-yom-soci