2004年06月28日(月) 20時55分

＜国交省＞三菱欠陥車問題で緊急対策　全車の無料点検を実施（毎日新聞）

　三菱ふそうトラック・バス（三菱自動車から分社）が表明した４３の欠陥隠しのリコール（回収・無償修理）が遅れている問題で、国土交通省は２８日、ユーザーの点検・修理を促す緊急対策を発表した。７月１日から同社製のトラック・バス全車の無料点検を実施させるとともに、街頭検査や車検場でユーザーに点検を受けるよう異例の指導を行う。部品亀裂やオイル漏れなど保安基準不適合が見つかった場合は、道路運送車両法に基づく整備命令を発し、従わない場合は運行禁止となる。三菱ふそうも全車点検とは別に、リコール予定の対象車について緊急点検を行い、不具合があれば部品交換することを発表した。

　全車点検の対象は計約１３０万台。基本性能の「走る」「曲がる」「止まる」に関する約４０項目について、販売会社３６社や指定整備工場で点検する。同社は、当初の７月７日開始予定を前倒しして実施する。

　緊急点検は、４３の欠陥のうちリコールが済んでいない４０欠陥について実施し、摩耗などが見つかれば整備する。ユーザーにダイレクトメールなどで周知し、点検済み車両にはステッカーを張る。リコール予定の部品の交換は無料。同社は対象車を約４５万台としているが、欠陥別の台数や車種、年式は３０日に発表される。

　街頭検査は、地方運輸局が警察当局などと連携し、点検を受けたかどうかや整備状況をチェックする。点検を受けていない場合は文書で実施を求める。また、同省は全日本トラック協会やバス協会、整備業者の団体に、点検実施を促進するよう文書で指示した。

　風岡典之・国土交通事務次官は会見で「まず事故や火災が起きないよう徹底的な点検をする必要があり、行政として精いっぱいやる」と述べた。【武田良敬】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040629-00000069-mai-soci