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2004年06月28日(月) 02時34分

著作権“虎の巻” TV・映画ネット放送サポート産経新聞

権利情報を簡単/処理視聴料安く/来年度実用化
 ドラマや映画などの放送をインターネット上でもっと楽しんでもらおうと、総務省が進めていた著作権処理に関する“辞書”がほぼ完成した。すでに放送された番組の内容や権利の情報をデータベースでチェックできるよう項目を体系化したもので、これまで著作権に関する膨大な情報を手作業で処理していた放送事業者は、オンラインで短時間に処理することが可能になる。同省はこの辞書作成のための技術仕様を月内に公表。実証実験を重ねて平成十七年度から実用化をめざす。
 今回、総務省がまとめた技術仕様は、番組についてタイトル、出演者、撮影場所から解像度や音声などの技術情報まで約五百項目を網羅。さらに、著作権を持つ個人や団体名、契約の許諾や金額など二次利用をする際の条件・千三百項目を定めている。同省は「民間が進めている著作権料率のシステムとあわせれば、著作権が誰にあって、いくら著作権料を払えば良いのかを調べるしくみが整う」としている。
 ブロードバンド(高速大容量通信)の普及で、通信と放送の垣根が低くなり、ソフトバンクのグループ会社やKDDIなどの業者が参入、パソコン上で見られるネット放送が始まっている。
 ネット上で再放送するためには権利者の使用許可を得る必要がある。番組には脚本家、俳優、作詞・作曲家など多くの関係者が携わっており、例えば、年間シリーズのドラマの場合、二百人にものぼる各権利者・団体と個別交渉して許可を得なければならない。番組で流れる音楽や俳優などは交渉窓口すら分からないケースもあり、二次利用ができないものも多い。
 このため現在、ネット事業者が用意している番組はこうした著作権問題が解決済みの海外の映画やアニメ、バラエティーなどが中心だ。
 しかし、今後、地上デジタル放送など多チャンネル化が進むなか、放送事業者にとっては番組内容の拡充が生き残りの鍵だ。例えば、放送済みの番組をデジタル化して蓄積、無料公開する「NHKアーカイブス」で公開されているのは保存番組二十三万本中三千五百本にすぎず、著作権問題の処理が進めば、事業者は大きな資産を得ることができる。番組の制作会社には財政的に苦しい企業が多いが、二次利用収入が増えれば良質の番組制作が進む可能性もある。
 利用者にとってのメリットも大きい。すでに放送されたテレビドラマなどをネット上で、ビデオオンデマンド(VOD)の形式で、安価な視聴料でいつでも好きな番組を見ることができるからだ。
 総務省は「ネット上で番組の二次利用を進めるためには著作権にともなう問題を円滑に処理することが不可欠」と判断。二年前から著作権に関するデータベースを構築する準備を進めていた。(産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040628-00000000-san-soci