悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
山口組五菱会(2代目美尾組に改称)系のヤミ金融事件で、弁護士らでつくる全国ヤミ金融対策会議(代表幹事・宇都宮健児弁護士)は、ヤミ金融組織を統括する梶山進被告(54)=組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)罪などで起訴=に対し、今秋にも損害賠償を求める集団訴訟を起こす方針を決めた。
被害の回復とともにヤミ金融で得た巨額な収益が暴力団に流れるのを防ぐのが狙いで、原告となる被害者は100人以上、請求額1億円を目標に準備を進めている。
対策会議によると、02年9月以降、延べ約2万5000のヤミ金融業者について警視庁や大阪府警に告発状を提出してきた。このうち、捜査当局の協力で五菱会系の業者によると特定できた違法な貸し付けに被害者が支払った元利金の全額と慰謝料を請求する。第1次の提訴として、20〜30業者の被害者を予定している。
組織的犯罪処罰法では、犯罪収益は裁判所の判決に基づいて全額か一部を国庫に没収できる。
五菱会系ヤミ金融の場合、スイスの金融機関「クレディ・スイス」にある梶山被告名義の預金で、スイス当局に凍結された約6100万スイスフラン(約53億円)や、東京都内の貸金庫で押収された2億円余は没収対象になる可能性がある。しかし、宇都宮弁護士は「没収を命じる判決が出ても全額は没収できない恐れがあるうえ、没収の対象外の資産も多く、訴訟で損害賠償を請求することが必要だと判断した」と話している。(06/28 11:52)