2004年06月28日(月) 02時35分
五菱会ヤミ金 梶山被告に賠償請求 計1億円超、今秋にも集団訴訟(産経新聞)
指定暴力団山口組系五菱会(現二代目美尾組)によるヤミ金融事件をめぐり、弁護士らでつくる全国ヤミ金融対策会議は二十七日までに、五菱会の実質ナンバー2で“ヤミ金の帝王”と呼ばれた梶山進被告(五四)=出資法違反罪などで起訴=に対し、被害者が原告となり、今秋にも損害賠償を求める集団訴訟を起こす方針を決めた。全国で原告百人以上、請求額計一億円以上を目指す。
スイスの梶山被告の銀行口座(凍結中)でヤミ金の収益とみられる五十億円を超える資産が見つかったが、組織犯罪処罰法の犯罪収益として全額没収するのは困難とみられ、対策会議代表幹事の宇都宮健児弁護士は「訴訟は被害回復と同時に、巨額の資産が暴力団の資金になるのを防ぐのが狙い」と話している。
対策会議によると、平成十四年九月以降、延べ約二万五千業者を警視庁や大阪府警などに告発してきた。
集団訴訟は告発した業者のうち、捜査当局の協力を得て五菱会系の業者を特定。梶山被告の指示で違法な取り立てを繰り返したとして、各原告の被害金賠償と過酷な取り立てに対する慰謝料を請求する。
原告は既に五菱会系と特定された二十−三十業者の被害者を予定しているが、業者の特定が進めば追加提訴していく。
ヤミ金の収益を組織犯罪処罰法に基づいて没収する場合、被害者一人一人の入金状況を詳細に解明する必要があり、大阪府警が摘発した梶山被告傘下のOKグループ事件では四十数億円の収益が確認されたが、捜査関係者は「没収できるのは八人分の十数万円程度ではないか」と話している。
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≪五菱会ヤミ金融事件≫ 五菱会実質ナンバー2だった梶山被告を中心としたヤミ金融グループが、利用者から法外な金利を取り立てた事件。ヤミ金融店舗約1000店を取り仕切った梶山被告らは警視庁や大阪府警などに出資法違反(高金利)容疑で逮捕、起訴されたほか、海外でマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等の隠匿)容疑で逮捕、起訴された。収益が山口組総本部に上納された疑いがあり、総本部が家宅捜索を受けた。(産経新聞)
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