2004年06月26日(土) 03時38分
<信用情報漏えい>消費者金融子会社幹部が7000件売却(毎日新聞)
東証1部上場の大手消費者金融「シンキ」の子会社「アルコ」(東京都中央区)の幹部社員が約7000件の個人信用情報を1件1500円前後で外部に漏えいし、1000万円以上の不正な利益を得ていたことが25日わかった。消費者金融の個人情報は、提供会社の会員企業になれば端末から入手が可能で、今回はそれを使って売却益を得た悪質なケースだ。金融庁と経済産業省は来年4月の個人情報保護法完全施行を控え、金融・クレジット分野での立法措置の必要性を検討しているが、議論に影響を与えそうだ。
関係者によると、アルコは利用者の借り入れや返済状況などの個人信用情報を提供する消費者金融系の信用情報会社「ジャパンデータバンク」(JDB、東京都)の会員企業。幹部社員は、JDBと接続している支店の端末を使い、数年にわたって信用情報を取得。依頼者に提供し、見返りに報酬を得ていた。幹部社員は休日出勤するなどして、他の社員に気づかれないように情報を入手していたらしい。先月、この問題で退職した。
JDBは全国信用情報センター連合会(全情連)加盟の信用情報会社。多重貸し付け防止のため、関東地区1都4県の消費者金融会社に個人信用情報を有料で提供。規約で、会員業者が顧客の返済能力を判断する目的以外の使用や漏えいを禁じている。JDBはアルコの処分を検討している。
JDBのデータベースには会員企業(584社、5月末現在)が持つ顧客約830万人分の信用情報が登録され、JDBなど33の情報センターで構成する全情連には約1931万人分(3月現在)が登録されている。加盟会社は、この膨大なデータにアクセスできる。
アルコは76年創業の中堅の消費者金融会社で、東京都内を中心に営業を展開。昨年12月にシンキの完全子会社となった。
消費者金融の個人信用情報を巡っては、三洋信販(福岡市)からデータが流出したことが発覚。約116万人分が流出した可能性が高く、情報流出による顧客の不正請求被害も約370件に上る。今回のケースでも二次被害が懸念される。
アルコの話 金融情報の漏えいが社会問題となっている現在、このような問題が起きたことは遺憾だ。職員の管理・監督やセキュリティーの見直しを進めたい。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040626-00000134-mai-soci