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医療の質や、安全を確保するための院内体制が一定水準に達しているかを審査・認定している「日本医療機能評価機構」(東京都)は7月から、重大医療事故を起こした病院に原因の分析結果や対策を含め45日以内に報告するよう義務付け、対策が不十分と判断した場合に認定を取り消す処置を導入する。制度の信頼性を高めることで認定制度をより浸透させる狙いで、29日に開く理事会で正式決定する。
報告では、事故の経過のほか安全管理委員会の開催状況や医師、看護師ら職員への教育研修内容、安全対策マニュアル、患者・家族への説明状況、当面の再発防止策などを書面で提出させる。
同機構は、病院が認定時に申告した安全対策を緩めていなかったか、学会などが繰り返し警告しているのと同様のミスはないか、再発防止策は有効かなど、組織的な安全体制に不備がないかを中心に評価。問題がある場合は、認定証の取り消し(返還)や、約3カ月の猶予期間を与えて改善を迫る「条件付き認定」へ格下げなどの処分を決める。事故の隠蔽(いんぺい)や重大事故の繰り返しは、猶予なく処分するという。
これまで、重大事故を起こした病院から相談を受けて、個別に認定の返上を受けた例はあるが、制度としての取り消し処分はなかった。
病院の「適」マークとも言える認定制度は、認定の有無を病院選びの目安にしてもらおうと、国や日本医師会の肝いりで97年に始まった。これまでに全国9000余の病院のうち約1300が申請により認定され、審査中や審査待ちの病院をあわせると2300になるが、まだ十分に浸透していないのが現状だ。
取り消し処分の導入で、未認定の病院が申請をためらうなど逆効果を生む恐れもあるため、処分内容は当面公表しないという。(06/26 09:56)