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2004年06月25日(金) 20時34分

[郵便局を歩く]窓口防犯 「チームプレイが重要」 /山口毎日新聞

 「おれおれ詐欺、身に覚えのない請求多発。ご注意ください」。山口中央郵便局(山口市)の窓口カウンターとATM利用の際、注意を促す案内表示が目に入る。
 山口中央局の平日窓口営業時間は午前9時〜午後6時、ATM利用時間は午後11時までと、一般の郵便局よりも長い。その分、オレオレ詐欺・恐喝、架空請求のターゲットになりやすいという。
 「急いで送金してください」。5月14日の閉店間際、60代の老夫婦が貯金課窓口に駆け込んできた。対応にあたった小野俊雄貯金課主任(36)はその慌てた様子に異常を感じた。送金内容や送金先を尋ねても、老夫婦は「とにかく送金してください」と繰り返すばかりだった。
 詳しく事情を聴くと「息子が借金して拉致された。借金取りから午後6時までに216万円振り込めと要求があった」と言う。犯罪のにおいを感じた小野主任は、すぐに棚田肇貯金課長(46)へ報告した。
 棚田課長の指示で、別の局員1人が老夫婦からさらに詳しく事情を聴き、他の局員2人が息子への連絡を試みた。数分後、電話がつながり、借金話は虚偽だったことが判明した。最初の窓口対応からわずか10分ほど。棚田課長は「混雑した閉店間際に限られた時間の中で判断するには、チームプレーが重要」と強調する。
 高齢者▽閉店間際▽急ぎの送金▽高額——。山口中央局は、手口のキーワードを朝礼やミーティングで呼びかけ、役職者への報告手順も徹底してきた。事件当日の冷静なチームプレーは、局員たちの統一した防犯意識の成果といえる。
 事件後、老夫婦は「まさか自分たちが狙われようとは。息子への連絡すら思い浮かばなかった」と泣き崩れたという。棚田課長は「今回の件でより意識が強まった。防犯も郵便局の大きな役割。地域の中でお客様を守っていきたい」と語る。【島田信幸】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040625-00000003-mai-l35