2004年06月24日(木) 21時12分
大阪府が「プロ野球応援協会」に異例のNPO不認証(読売新聞)
プロ野球の一部私設応援団が申請したNPO(特定非営利活動法人)「プロ野球応援協会」について、大阪府は24日、「事業が、法令に違反することなく行われるか否か明確でない」などとして不認証を決定し、通知した。府は、プロ野球機構側が一致して認証に反対を表明した点を重視し、審査を進めていた。府の不認証は初めてで、原則認証のNPOでは異例の決定となった。
同協会は、東京、大阪、名古屋を拠点とする応援団の幹部らを役員とし、今年2月に、認証を申請。定款(ていかん)などによると、会員5000人から年間合計約3000万円の会費を集め、プロ野球発展のためのボランティア活動を行うとしていた。
これに対し、プロ野球機構側は、▽役員予定者に、NPO法上、不適格な人や球場でトラブルを起こした人物が含まれている▽球場でのトラブルを仲裁した応援団員に報酬を支払う事業は、暴力団の用心棒代に似て違法性が強い——などとして、根来泰周(ねごろ・やすちか)コミッショナーと両リーグ会長、12球団連名で、認証しないよう求める要望書などを府に提出していた。
府は、役員予定者に「不適格者」がいることを確認し、「トラブル仲裁」は、球場所有者の承諾がなければ、施設管理権を侵害すると判断。さらに、「観客席の無料提供」事業は、自由席の過度な席取りにつながる恐れがあると指摘し、認証基準である「法令に適合する申請」かどうか、不明確と結論付けた。
プロ野球界は昨年、応援団に介入した暴力団員による犯罪が相次いだため、球場から暴力団や悪質な応援団を排除する取り組みを始めている。
NPO法は、民間の自由な社会貢献活動を育てる目的のため、申請書式が整っていれば認証するのが行政側の基本的な対応だ。
しかし、暴力団関係者がNPOを設立し、ボランティア団体を装って企業に寄付を要求する恐喝事件や、テレクラ業者がNPOを隠れみのに違法営業を行うケースなども目立つ。
今回、府はNPOの「市民監視」の原則に従い、第三者であるプロ野球機構の反対意見を踏まえて慎重に判断し、不認証とした。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040624-00000413-yom-spo