2004年06月24日(木) 12時39分

＜長野選挙人名簿訴訟＞田中知事の泰阜村への登録取り消し（毎日新聞）

　田中康夫・長野県知事が長野市と同県泰阜（やすおか）村の選挙人名簿に二重登録されている問題で、生活実態がないにもかかわらず泰阜村が知事を選挙人名簿に登録しているのは誤りだとして、長野市内の有権者５人が同村選挙管理委員会に登録取り消しを求めた訴訟の判決が２４日、長野地裁であり、辻次郎裁判長は原告の請求を認め、泰阜村選管の登録を取り消した。

　選挙人名簿の二重登録の原因となった知事の住所について、辻裁判長は、田中知事の昨年９月から今年３月までの長野市、泰阜村の滞在日数を基に「生活の中心が泰阜村に移ったとは認められない」と指摘。その上で「（知事は）名簿への登録資格を充足していない」「名簿に誤載があったと言わざるを得ない」とした。

　田中知事は自身の住所地について「住所をどこに定めるかについての個人の意思は、その場所が生活の本拠としての実体を備えている限り尊重されるべきだ」として泰阜村にあると決定したが、今回の判決は、知事の住民基本台帳法に基づく決定を否定する形になった。

　原告側は、昨年９月に田中知事が住民票を泰阜村に移動した後も長野市内のマンションに住み、県庁に通っていることなどを理由に今年３月、同村選管に異議を申し立てたが認められず、公選法に基づいて提訴した。

　公示された参院選では、両市村選管から知事あての投票入場券が郵送される。田中知事は「泰阜村の村民」と明言し、二重投票の恐れはないとみられる。

【川崎桂吾】

　田中康夫知事　私、あるいは泰阜村選挙管理委員会の考えがご理解をいただけず、大変に残念。きちんと裁判所のお書きになった文章を拝見し、さらに考えたい。私としては全く意外な判決だ。（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040624-00001043-mai-soci