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2004年06月24日(木) 02時56分

年金関連法、条文修正漏れ 遠のく信頼確保 政府の誠実な対応必要産経新聞

 二十三日までに分かった年金制度改革関連法の条文修正漏れは、制度運営そのものへの影響は軽微とみられる。しかし、年金制度の根幹にかかわる出生率データの公表時期について、「厚生労働省は法案成立への影響を懸念して意図的に遅らせた」などと批判されているさなかに、みすみす別の批判材料を提供したことになる。
 政府が悲願としてきた「公的年金制度への信頼確保」は、ここでも“けちがついた”といえそうだ。
 厚労省は今回の事態を「形式的なミス」と指摘している。厚生年金の「加給年金」支給根拠がなくなる恐れがあるといっても、法施行の十月までに官報で修正するなどの対応は可能で、制度運営への実害は軽微とみられるからだ。
 しかし、最も重要な信頼確保という面からは、「痛手は小さい」とはいえない。
 年金に限らず、国が作った制度が国民の支持を集めるうえでは、制度そのものが国民に十分理解・納得されるか、制度の責任者である政府・与党が深く信頼されるしかない。
 しかし、公的年金制度はさまざまな仕組みが絡み合い、極めて複雑。今回の制度改革でも複雑さが解消されたとはいえず、全国民が等しく正確に制度を理解するとは最初から期待薄だった。
 政府・与党などの信頼性に頼るしかなくなっていたのに、国会審議などを通じて閣僚の国民年金への未加入、保険料未納、社会保険庁の年金保険料流用などへの批判に火がついた。
 その意味で今回の条文ミスは、タイミングが不運だったこともあって、傷口をさらに広げる恐れがある。
 信頼確保に一歩でも近づくために、政府にはさらに繊細で誠実な対応が求められる。(村山繁)(産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040624-00000016-san-bus_all