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防衛庁によると、今月一日、「おおなみ」が神奈川県の横須賀基地に停泊中、艦橋に立てられているマスト最上部のポールが曲がっているのに乗員が気づいた。点検したところ、上から二・五メートルに溶接ミスから亀裂が入っているのが見つかった。
ポールにはタカンと呼ばれる搭載ヘリコプターの航法装置や航空灯が取り付けられてあり、放置すればポールごと折れて、落下したり、航空機事故に結びつく可能性があった。
海上自衛隊から連絡を受けた三菱重工業は四日から八日まで「おおなみ」を同社横浜製作所で修理し、ポールそのものを交換した。
火を使う溶接作業が行われることから弾薬をすべて降ろし、修理が終わるまでの間、護衛隊群司令による訓練検閲への参加は見送られた。
防衛庁は三菱重工業で製造した同型のマストを装備した十数隻の点検を命じるとともに、今後の対応策を示すよう指示。同社は「不具合を発見後、海自の関係各所に連絡した」と“ミス隠し”はなかったと強調し、「社内の教育と品質管理を徹底する」と回答した。
「おおなみ」は三菱重工業長崎造船所で一隻六百四十四億円の予算で建造され、昨年三月十三日、防衛庁に引き渡された。横須賀基地第一護衛隊群に配備されている。
昨年十二月六日から今年一月二十日まで同造船所で定期検査が行われたが、マストの不具合は「あり得ないこと」(防衛庁幹部)として検査項目に入っていなかった。
■メモ
護衛艦「おおなみ」 1998年度から建造が開始された最新鋭の汎用護衛艦「たかなみ」の二番艦。三菱、住友、石川島播磨の各重工業で合計4隻を建造。速射砲を大口径の127ミリ砲とし、電子装置の能力向上が図られている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040623/mng_____sya_____005.shtml