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2004年06月22日(火) 03時24分

カーライルと京セラ、DDIポケット買収発表 主戦場は法人市場産経新聞

第三世代携帯に対抗
 米投資会社のカーライル・グループと京セラは二十一日、KDDIの子会社でPHS(簡易型携帯電話)首位のDDIポケットを二千二百億円で買収すると発表した。十月をめどに、カーライル60%、京セラ30%、現在81%を出資しているKDDIが10%を保有するDDIポケットの事業を継承する新会社を設立。成長中のノートパソコン向け定額制データ通信事業を強化し、携帯電話業界に対抗する。
 DDIポケットの契約者に対するサービスは現在と変わらず、山下孟男社長を含む経営陣は続投する。人員削減も実施しない見通しだ。
 同日、記者会見したカーライルの安達保日本代表は「通信分野はカーライルの総投資額のうち30%を占める得意分野。早くからPHSの潜在能力に注目してきた」と述べ、中長期的視点で上場を視野に入れた事業育成に取り組む姿勢を強調。京セラの西口泰夫社長も「PHSは日本では伸び悩んでいるが、海外で伸びている。投資コストが低いなど優位性を生かせばさらに発展できる」と期待感を示した。
     ◇
 今回の買収でKDDIから独立するDDIポケットの業績は順調だ。通信分野で投資実績のあるカーライルの後押しで、小粒ながらも優良な移動体通信事業者が誕生する可能性がある。
 パーソナル・ハンディホン・システム、簡易型携帯電話と呼ばれるPHSは、平成七年から本格的に日本で商用化された。当初は、携帯電話に比べ料金が安いことから利用者が広がったが、携帯電話の普及に伴い利用者数は低迷している。
 だが、性能やサービスでは携帯を上回る部分も少なくない。企業にはインターネットに常時接続できるデータ通信サービスを活用する動きが広がり始めており、DDIはデータ通信に特化する戦略を取り、三期連続で黒字を計上した。ノートパソコンなど向けに平成十三年に開始した完全定額制のデータ通信サービス「エアーエッヂ」の利用者数は右肩上がりで、今年四月で百万を突破している。
 五月も他のPHS二社の契約者数が純減となるなか、DDIは四千八百の純増を確保。特に東京地区では八千七百の純増で、ボーダフォンを上回る勢いだった。安達保・カーライル日本代表は「常時接続可能なデータ通信サービスは今後、差別化の武器になる」とみる。
 個人市場が飽和状態に近づきつつあるなか、携帯の次の主戦場は法人市場だ。
 DDIのライバルになるのは、定額制を導入した第三世代携帯電話(3G)だ。「エアーエッヂ」は3Gに比べ、契約上の制限が少ないメリットがある。また、3Gより劣っている通信速度も、今年度内に倍増させる計画で、ブロードバンド(高速大容量)携帯といえる毎秒一メガビット以上の高速技術にも取り組んでいる。
 auと競合しても、カーライル傘下になることで遠慮なく対応できる。利用者は一段のサービス競争が期待できそうだ。(産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040622-00000015-san-bus_all