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[ネット社会]「子供を遠ざけることはできない」
財団法人インターネット協会が、ホームページ上に、「インターネットを利用する子供のためのルールとマナー集」を公開している。
「インターネットには、学校の先生のようにみんなをまとめてくれる人がいません」「お約束の基本は『相手のことを思いやる』こと、『自分の身は自分で守る』ことです」。平易な文章が並んでいる。
長崎県佐世保市の小六女児殺害事件の後、協会には「ルールとマナー集」に関する質問メールが多数寄せられた。「授業で配布したい」(教師)、「リンクを張りたい」(小六男子)と、使用許諾を求めるものが多かった。
「もちろん『どうぞ』と答えました。事件を機に教師や親、子供たちがネットとの付き合い方を真剣に考えるようになりました」。担当者は、そう話す。
インターネットは、子供社会にどこまで浸透しているのだろうか。日本PTA全国協議会が、小学五年、中学二年生と保護者を対象に、家庭での子供のネット利用の実態調査をした。
約八割の家庭にパソコンがあり、ネット利用の経験のある小五は七割、中二は八割にのぼっていた。
子供がネットを利用しているとき、保護者はどうしているか、を調べた。
「何もせず自由にさせている」が46・8%と半分近い。「閲覧したサイトをチェック」(7・7%)したり、「見せたくないサイトをフィルターでブロック」(4・3%)したりする“干渉派”は少なかった。
ネットに関する知識は子供とどちらが豊富か、も保護者に尋ねた。前年は「子供」28・4%、「保護者」34・5%と大人優位だったが、今回は「子供」35・4%に対し「保護者」25・8%と、初めて逆転した。
知識量で上回られ、ネットと向かい合うわが子に何も言えない、というのでは情けない。技術的な助言より、さりげない問い掛けが、ネットの負の領域から子供を救うことも多いはずだ。
学校現場でも、公立校のほぼ100%がネットを利用している。調べ学習などには、もはや欠かせない存在だ。
今回のような事件が起きると、「子供をネットから遠ざけろ」という声が出てくる。だが、世界中、あらゆる社会がネットで結ばれてしまった現代において、それは現実的でない。
便利だが落とし穴もある。落とし穴を避け、うまくネットと付き合っていくことが大切だ。「ルールとマナー」を、もう一度かみしめたい。