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2004年06月20日(日) 00時00分

ネットモラル 教育現場は試行錯誤電子メールの使い方を学ぶ生徒たち。マナーの説明にも耳を傾けていた朝日新聞・

 インターネットや携帯電話の普及で、ネット上の犯罪やモラル違反の行為に児童・生徒が巻き込まれるケースが増えている。県内でも5月に大間々町の高校1年生がネット掲示板に郵便局を脅迫する書き込みをしたとして逮捕される事件が発生。教育現場では、情報モラルの教育に力を入れているが、試行錯誤も続いている。

 今月11日、前橋市立広瀬中学校のコンピューター教室。「技術」の授業で電子メールの設定をする1年生に、古暮清二教諭が話しかけた。「パスワードはどうして教えたらいけないの」

■授業でマナー■

 他人の名前でメールを送ったりする「なりすまし」。パスワードを知られるとその被害に遭うこともある。授業では、インターネットのマナーについても指摘する。

 携帯電話の出会い系サイトをきっかけにしたトラブル、インターネット掲示板への中傷や脅迫の書き込み−−。ネットにかかわる犯罪やモラル違反行為は生徒や児童にとっても身近な問題だ。長崎県佐世保市で小6女児が同級生に切られて死亡した事件では、チャットと呼ばれるホームページ上の会話が背景にあったとみられている。

 教育現場では、コンピューターを扱う中学、高校の必修科目で情報モラルを柱の一つに据えるなど、モラル教育に力を入れている。

■ガイドを作成■

 県教委も独自の指導用資料として「ぐんまIT活用ガイド」を作成。携帯電話やインターネットの安全な利用方法やマナーのほか、授業での実践例などを盛り込み、小中高など県内の全学校に配布した。

 一方で試行錯誤も続いている。原因の一つが次々と生まれる新しい技術やサービスだ。「出会い系サイトや掲示板、チャットに危険があると伝えるにも、教員に体験がないために指導しにくい」と前橋市教委の折田一人指導主事は説明する。

 県教委などによると、県内の女子高生が友人のいたずらで掲示板に実名と携帯電話番号を書き込まれ、見ず知らずの人から電話を受けた例もあったという。

 広瀬中の古暮教諭は3年ほど前から授業で、他人の住所録などを載せた自作のホームページを見せて、著作権侵害やプライバシー侵害など、モラル違反を生徒に指摘させている。「新しいものが次々と出てくる。これはだめ、あれはだめと言うのではなく生徒が判断ができるように教えている」と話す。

■関心引く工夫■ 

 県内の公立高校各校では、大間々町の事件を受けて改めて情報モラルについて指導する時間を設けた。県教委のまとめによると、クイズやワークシートの形にしたり、生徒自身に注意のビラをまとめさせたりして、関心を持たせる工夫がみられたという。

 県教委高校教育課の飯野真幸課長は「子供たちは(ネットなどの)危険性を知らずに事件を起こしてしまう。興味を持たせる情報教育の工夫が必要だ」としている。



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http://mytown.asahi.com/gunma/news01.asp?kiji=3707