2004年06月18日(金) 18時50分
おれおれ詐欺、急増 5月ですでに159件、昨年の総数超す−−県警調べ /宮城(毎日新聞)
◇手口も悪質、巧妙化
身内を装って高齢者に金を振り込ませる「おれおれ詐欺」の被害が一向に収まらない。県警捜査2課の調べでは、被害額は5月段階で昨年1年間の総数を超え、子や孫を思う気持ちに付け込む手口も一層巧妙化している。
同課によると、「おれおれ詐欺」による今年1〜5月の被害件数は159件(うち未遂86件)、被害額は計約7900万円に達した。昨年1年間の105件(同94件)、約6700万円と比べ、著しい増加をみせている。
手口はどれも悪質だ。5月19日に仙台市内で起きたケースでは、高齢の夫婦に警察官を名乗る男から「息子さんが事故を起こした」と電話があり、示談金として325万円を振り込むよう指示された。銀行の窓口職員がおれおれ詐欺の可能性を指摘しても、夫は「そんなことはない。早く手続きをしてほしい」と取り合わなかったが、息子に確認した結果ウソだと分かり、送金直前で被害を防いだという。
このほか、息子役の男が「トラブルに巻き込まれた」と泣きじゃくって電話をかけ、弁護士に扮(ふん)した仲間が「今すぐ金を用意しないと、息子が刑務所に入ることになる」と脅す手口も確認されている。名簿業者から各種データを仕入れ、実際に身内を名乗って信用させる巧妙な手口も増えており、ますます詐欺が見破りにくくなっている。
おれおれ詐欺は暴力団がかかわっているケースが多く、他県から電話をかけるなど、加害側の特定が難しいという。同課は「相手はあるゆる手を使って金を振り込ませようとしてくる。電話があっても慌てず、本人かどうか慎重に確認してほしい」と注意を呼び掛けている。【赤間清広】(毎日新聞)
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