2004年06月17日(木) 00時00分

『でも５年は長かった』原告団 ダイオキシン報道で和解 （東京新聞）

　テレビ朝日系のニュース番組「ニュースステーション」によるダイオキシン報道をめぐる訴訟が十六日、東京高裁で五年ぶりに和解となった。所沢市の農家でつくる原告団は同日、東京・千代田区のＪＡビルで会見を開き、原告団長の農業金子哲さん（５４）は「所沢の農家の名誉が回復された。今は誇りと自信を持って農業に励んでいる」と話した。

　副団長の市川作次さん（６１）は「和解には納得しているが、五年間は長かった。あの時は都内のスーパーに出向き、事情を説明して買ってもらうようお願いして回った」と苦しい日々を振り返った。

　和解金一千万円のうち九百万円は、今だに避難生活を続ける三宅島の島民に、残る百万円は地元・所沢の子どもたちの「食農教育」のために市に寄付される。

　長島佑享弁護団長（６４）は「いろいろ難しい問題はあったが、お互い理解し合って円満に解決したと思う」と話した。五年前からテレ朝の番組を一度も見ていないという金子さんは「今日から早速、見たいと思う」と晴れ晴れした表情で話した。

　原告団などは裁判への支援を感謝し、十七日正午から、所沢市役所西口玄関前と所沢駅西口で、ホウレンソウやチンゲンサイなどを用意しチャリティーバザーを行う。　（古庄　英輔）

　斎藤博所沢市長の話　頑張ってこられた原告団、そしてＪＡをはじめ原告団を支えてこられた多くの方々の労苦に対し、心より敬意を表する。市としては今後も農家の皆さまが安心して農業に取り組めるよう一層の農業振興などに努めたい。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20040617/lcl_____stm_____001.shtml