2004年06月17日(木) 02時56分
財布にもカギにも フェリカ、来月始動 ICチップ搭載ドコモ携帯(産経新聞)
「使う携帯」から「おさいふ携帯」へ−。NTTドコモは16日、携帯電話に、かざすだけでデータのやりとりができる非接触ICチップを搭載した「iモード FeliCa(フェリカ)」のサービスを7月上旬から開始すると発表した。携帯電話1台で、鉄道の改札を通過したり、コンビニで現金なしで買い物代金を決済できるようになる。同サービスの商用化は世界初という。
フェリカは、ソニーが開発した非接触ICカードの技術方式で、JR東日本の「Suica(スイカ)」などに利用されている。ドコモはソニーと合弁で、昨年末から携帯にフェリカを組み込み、(1)電子マネーやクレジットカード(2)社員証・会員証やカギ(3)電子チケット−などに応用するサービスの準備を進めてきた。
このサービスには三十九社が参加。七月から全国九千店舗を皮切りに、順次、サービスを開始する。
最も一般的な利用方法は買い物の支払いなどの決済だ。iモード経由で電子マネーをダウンロードし、携帯をレジにかざして支払いを済ませる。記者会見場で行われたデモンストレーションでは「七百八十八円」の支払いが瞬時に完了し、その利便性を実証した。
七月上旬から全国千四百店でサービスを開始するエーエム・ピーエム・ジャパンの秋沢志篤社長は、「このサービスだと、現行で平均約35秒かかっている精算時間が25%短縮できる。つり銭も不要だ」と期待感を示した。
チケットやクーポンとしても利用可能で、ぴあは今年度中に、携帯でコンサートチケットを予約して電子チケットとしてダウンロードし、会場で携帯をかざすだけで入場できるサービスを開始する。JR東日本は来年度後半に「モバイルスイカ」サービスの展開を計画している。
ユニークなのは、国内信販と早川不動産などが提供するマンションのカギ機能サービスだ。万一、カギを忘れても、メールで合鍵情報をやりとりすることができる。
記者会見したドコモの夏野剛iモード企画部長はフェリカについて「日本人のライフスタイルを変えたiモード以来の大きな変化」と説明。iモードを上回るヒットへ自信を示した。ドコモのライバル、KDDIも「JRのサービス開始時に合わせてわが社もモバイルスイカと同等のサービスを提供する」(小野寺正社長)としている。
フェリカ搭載の携帯端末は四機種で、七月上旬に発売される。
この携帯を紛失した場合は現金を落とすのと同じことになるため、四機種のうち富士通の製品には暗証番号と指紋センサーによる本人確認機能を搭載。また、あらかじめ登録した電話番号から遠隔操作することで機能を停止させる「遠隔ロック」システムは標準機能になるという。
価格は現在販売されている携帯電話の値段とほぼ同程度になる見通しだ (産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040617-00000016-san-bus_all