2004年06月16日(水) 23時24分
子どものネット利用、多くの親が放任(読売新聞)
子どもが家庭でインターネットを使う際、有害なサイトを見ることができないようにするなど、積極的な管理を心がけている保護者は約1割にとどまっていることが16日、日本PTA全国協議会の調査で分かった。
長崎県佐世保市の女児殺害事件では、ネット上のやり取りが事件の引き金となった可能性が指摘されているが、多くの親が子どものネット利用を放任している実態が浮き彫りになった形だ。
■野放し
調査は、小学5年生と中学2年生各約3000人と、それぞれの保護者約6000人の計1万2000人を対象に、昨年11月から12月にかけて実施した。
調査結果によると、インターネットを利用した経験のある子どもは、小学5年で68・5%、中学2年では80・4%にのぼった。
子どもが家庭でネットを利用する時に、親として管理しているかどうかをたずねたところ、親の46・8%が「何もせず、自由に使わせている」と回答。一方、「閲覧したサイトをチェックしている」は7・7%、「見せたくないサイトをブロックするフィルターを使う」は4・3%と、合わせても12%にとどまった。
■認識にずれ
同じ質問を子どもにしたところ、「自由に使わせてくれる」との回答は67・4%に上り、子どもと親の認識の差も明らかになった。
また、ネット利用の内容について、親子で話をしているかどうかという質問では、「全く話さない」「ほとんど話さない」と答えたのが、小学5年の親で19・6%、中学2年の親で28・0%だったのに対し、子どもは小学5年が38・2%、中学2年が56・5%と、やはり大きなずれがあった。
■子供優位
調査では、ネットに関する知識について、保護者と子どものどちらが良く知っているかを親に質問。「子ども」が35・4%、「保護者」が25・8%という結果が出た。前年の調査では「子ども」が28・4%、「保護者」が34・5%となっており、今回初めて逆転した。
こうした調査結果について、群馬大の下田博次教授(市民メディア論)は「子どもの回答の方が実態に近く、保護者は子どものネット利用について、ほとんど管理していないと言える」と分析。「保護者は、子どものネット利用に積極的に関与し、危険性や有害性を指摘するよう努力すべきだ」と話している。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040616-00000014-yom-soci