2004年06月16日(水) 00時00分
ネットマナー指針作成 事件受け61校に配布(朝日新聞・)
佐世保市教委は、児童生徒がパソコンなどを使用する際のマナー教育の指針を新たに作成し、小中学校61校に配布した。同市立大久保小学校で起きた事件では、死亡した女児と家裁送致された女児の間で、インターネットの掲示板でのトラブルがあったとされることから、「緊急の課題」として指針づくりを急いでいた。学校ごとに「情報教育係」を設け、家庭にも協力を求めるよう示すなど、地域と連携した指導を求めている。
指針は「情報教育のねらい」「情報モラルの育成」など6項目。内容は、発達段階に応じてインターネットを使った教育の指導計画を作る▽ネットなどの適切な活用のための利用規定を設ける▽情報発信のルールやマナーを指導する▽人間関係の希薄化やバーチャルリアリティー(仮想現実)の問題が身体に与える影響について理解させる、などが挙げられている。
また、子どもたちの家庭でのネット利用が進んでいるため、「情報教育の推進と家庭・地域の連携」の項目も設け、「家庭でも同様の管理に務めるよう協力を求める」としている。
鶴崎耕一教育長は「インターネットの光と影について、正しく理解してほしい」と話している。
続く事件 解明求める声 長崎市議会
15日の長崎市議会一般質問で、昨年7月の園児殺害事件、今年3月の男子中学生の自殺、そして今回の佐世保の事件と、県内で相次ぐ児童、生徒の事件の原因解明を求める意見が出た。市では95年に女子中学生がいじめを苦に自殺した事件があった。質問した山本誠一議員(共産)は「あれから10年たった。子どもたちを取り巻く競争と管理教育のゆがみがますます広がっているのではないか」と述べた。
山本議員は質問で、今年度から長崎、佐世保両市に開校した県立中高一貫校が、小学生にまで受験競争を強いる結果になっていると指摘。同校を受験するためにサークル活動をやめた児童の例や、通知票の成績が悪くて泣き出した児童の話を紹介した。
中高一貫校について、梁瀬忠男教育長は「文部科学省が推進する、ゆとりある教育の実現に向けて県が設置した」と説明。山本議員は「子どもに大きなストレスを与えているという現実を直視してほしい」と訴えた。
市では昨年7月の事件以降、心の教育を重点にした取り組みを続けている。各校で植物を育てたり、「心の時間」を設けて道徳教育をしたりしている。
今後の取り組みについて、伊藤一長市長は「勉強ぎらい、いわゆる『おちこぼれ』の子に、先生や地域の協力で勉強が楽しくなってもらえるような態勢を作っていくことが大事」と話した。
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http://mytown.asahi.com/nagasaki/news02.asp?kiji=3922
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