2004年06月15日(火) 00時00分

経営譲渡で放送継続　花巻ケーブルテレビ（朝日新聞・）

　　廃業を決めていた花巻市の花巻ケーブルテレビ（川村和子社長、資本金４億５６００万円）について１５日、岡山市のインターネット接続事業者（プロバイダー）が、経営を引き継ぎ、放送業務を継続することが決まった。譲渡について基本合意した両社が同日会見して、明らかにした。

　　７月末で放送業務をうち切り、廃業する予定だった花巻ケーブルテレビから経営譲渡を受けるのは、プロバイダーのエヌディエス（ＮＤＳ、佐野浩一社長、資本金１億６千万円）。同社の契約ユーザーは全国で２０万人以上を数え、花巻エリアにも５００人ほどの会員がいるという。

　　佐野社長は「前々からケーブルテレビという身近な放送業務に携わりたかったし、地域に根ざしたケーブルテレビが廃業するのはもったいないと思った」と説明。花巻ケーブルテレビの従業員６人はそのまま雇用し、自主制作放送も含めて、サービスを継続する考えを示した。

　　現在同社は、地上波放送番組を主体に１１チャンネルを放送しているが、ＮＤＳは、今後は２倍程度にチャンネルを増やす一方、投資をして光ファイバーを使ったインターネット事業にも乗り出す意向だ。それによって、現在２千世帯ほどにとどまっている加入者を、５千〜６千世帯程度まで拡大したいという。

　　花巻ケーブルテレビは、債務の一部をＮＤＳに引き受けてもらい、経営権は無償で譲渡する。経営は、７月から８月にかけて引き継ぎ、ＮＤＳから役員を受け入れる。社長には、佐野社長が就く予定だという。

　　花巻ケーブルテレビは、１５日付で加入世帯に放送継続を通知した。記者会見で川村社長は「いったん廃業ということになったが、遠い岡山から話があった。熱意を持って新しい技術も生かしながらやっていただけると思っており、本当に感謝している」と話した。


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http://mytown.asahi.com/iwate/news02.asp?kiji=5732