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ぜんそく患者のための「診療ガイドライン(指針)」を、患者団体が一からかかわって、まとめた。厚生労働省のぜんそくの研究班(班長・宮本昭正東京大名誉教授)による指針作りの一環で、患者の視点から、患者にとって必要な情報を考え、治療に主役が主体的にかかわることを目指した。様々な病気で科学的根拠に基づく指針作りが進み、患者向け指針もあるが、従来は医師中心で作ってきた。
参加したのは、アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」幹事の栗山真理子さんら。ぜんそくの研究班が指針を改訂するにあたり、診療指針の作成や利用、普及について検討している厚労省研究班長の中山健夫・京都大助教授(健康情報学)が橋渡し役となって、参加が実現した。
ぜんそくに関しては、かねて医療者向けと患者向けの2種類の指針があった。だが、患者向け指針は実質4ページほど。図表が2枚あるだけで、残りは難しい医学用語で埋め尽くされていた。
栗山さんら今回加わった患者代表は、イラストや表を多用して、症状の見分け方や薬物療法などを、20ページほどの冊子にまとめた。重症度をひと目で分かるマークにし、発作の重さごとに症状や家ですること、病院受診の緊急度などを図解した。これをたたき台に医師側と協議を重ね、約2カ月かけて完成させた。
栗山さんは「これが完全とは言えないが、患者の視点を入れて作ったことは第一歩。発作が起きた時にどうすればよいかなど、病気の知識がない人でも分かるように工夫した」と話す。
今回の指針の対象となる大人のぜんそく患者は300万人とも推計される。
班長の宮本さんは「医師だけで作ったら、このように分かりやすくはできなかったと思う。指針は、患者の役に立たなければ意味がない。自分の受けている治療が正しいかを、医師と話し合えるぐらいになって欲しい」と話す。指針は今後、日本アレルギー協会などのホームページで公表するほか、講演会などで無料で配布する。
厚労省は、病院や医師ごとにばらつきのある治療の標準化を目指すため、研究班による治療指針作りを99年度から系統的に始めた。03年度までに乳がんや糖尿病など20の病気で作られ、今年度は新たに3疾患で作る。
指針は、財団法人・日本医療機能評価機構がウエブサイトで順次公開する。
(06/13 23:48)