2004年06月13日(日) 00時00分
架空請求被害、続々と/オレオレ詐欺の倍(朝日新聞・)
インターネットの有料サイトの利用代金などの架空請求が県内で多発している。県警捜査2課の調べでは、被害は「オレオレ詐欺」の2倍に増えている。中には「国民年金未納のお知らせ」といったものや「音楽著作権侵害の損害賠償請求」など、社会情勢に合わせて金を請求するものも。県消費生活センターでは「相手にしないで」と注意を呼びかけている。
最良の対策は「無視」 6月上旬、岡山市の会社員(53)は、東京で生活する息子(29)あての「未納料金お支払いのお願い」と書かれたはがきを受け取った。
インターネットの有料番組サイトの料金が未納で、延滞金が発生しているという内容。代金を支払わないと給与を差し押さえると告げ、至急電話するように求めていた。息子に電話して、身に覚えのない請求とわかった。「あまりにも巧妙で恐ろしくなりました」と会社員は話す。
はがきを見た県消費生活センターの佐藤秀樹副参事は「典型的な架空請求」という。
同センターには02年秋ごろから架空請求の相談が来るようになった。当初は流出した消費者金融の名簿などを元に、「債権を支払え」など不当に請求するものが主流だったが、昨年夏ごろから、はがきを不特定多数に送りつける手法が増加。同センターには03年度、約5千件の相談があった。
以前に有料サイトを利用したことがある人や、家族が利用したのではと不安に駆られた人が被害に遭うことが多いという。「連絡を取る前に冷静になって考え、センターに相談してほしい」と佐藤さんは話す。
県警捜査2課の調べでは、今年1〜4月末までの架空請求の被害件数は110件(うち未遂1件)。被害総額は約4800万円に上る。同じく、社会問題となっている「オレオレ詐欺」は同期間で50件(うち未遂19件)で、件数では倍以上となっている。「被害者が泣き寝入りしている可能性もあり、被害はかなり拡大しているはずだ」と山下泰同課次長はみる。
詐欺や恐喝の容疑で捜査しているが、検挙に至ったものはまだない。
同センターによると、一番いい対策は無視することだ。電話をかけると、脅されたり、だまされたりして金を要求される。番号を知られて何度も電話がかかってくることもあるという。連絡を取らなかったために被害にあったというケースは、これまでのところないという。
相談は県消費生活センター(086・226・0999)か、同津山分室(0868・23・1247)へ。月〜金曜の午前9時〜正午、午後1時〜5時。
(6/13)
http://mytown.asahi.com/okayama/news02.asp?kiji=4485
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