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2004年06月12日(土) 03時08分

三菱自クラッチ、95年に欠陥解明…幹部「放置」決定読売新聞

 三菱自動車(昨年1月に商用車部門が三菱ふそうトラック・バスに分社)製大型車のクラッチ欠陥を巡る事件で、同社の開発部門が1995年秋に実証実験を行い、同年12月の時点で、欠陥のメカニズムを全容解明していたことが分かった。

 実証実験から、プロペラシャフトが脱落することで、最悪の場合はブレーキが利かなくなることも判明していたが、当時の大型車部門の首脳の経営判断で、リコール(回収、無償交換)届け出などの対策を一切怠っていた。

 関係者によると、95年の実証実験を命じていたのは、10日逮捕された中神達郎容疑者(61)。同容疑者は当時、リコール届け出などを担当する品質保証部長だった。

 中神容疑者は95年秋に、当時の品質保証部門の幹部から、「クラッチ欠陥を放置すると重大事故を引き起こす。早急に対策が必要」と報告を受けた。同容疑者の指示で、ただちに開発部門が、クラッチハウジング破断の原因解明を開始。その結果、高速走行を続けた際の異常振動で、破断に至ることが分かった。

 事態を重く見た同容疑者は、翌96年3月、リコール届け出の是非を判断する「リコール検討会」の準備会に、ブレーキ故障につながることから人身事故の恐れがあるとして、「重大欠陥」と報告した。だが、準備会のメンバーらは「対象車種が多すぎる」「ブランドイメージに傷が付く」などと指摘。結局、同年5月に開催された検討会で、届け出の見送りが社の方針として正式決定された。

 この決定後、三菱ふそう前会長の宇佐美隆被告(63)や、社内組織「三菱ふそうトラック・バスカンパニー」元社長・村田有造容疑者(66)ら、大型車部門の当時の担当幹部は遅くとも2000年までに、リコール届け出回避による欠陥隠しの実態について報告を受けていたが、2人ともリコール表明による販売への影響を考慮し、何ら対策を取らずに放置することを了承していたという。

 クラッチ欠陥では、90年から不具合が出始め、94年4月に横浜市で人身事故が発生。95年夏には、欠陥が原因で物損事故を起こした東京都内の産業廃棄物処理業者に対し、同社は7台の新車を提供する特別な補償措置を行い、この措置を、当時の大型車部門の首脳が了承していた。この特別な補償措置を機に、クラッチ欠陥の隠ぺいが社の方針として決まったことが分かっている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040612-00000201-yom-soci