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2004年06月11日(金) 10時24分

「葬式代まで失った」元長官の肩書を信じた被害者読売新聞

 投資会社「キャピタルインベストジャパン」(東京)の出資法違反事件は10日、社長を務めていた稲垣実男元北海道・沖縄開発庁長官(76)が逮捕される事態に発展した。被害者の多くは稲垣容疑者のかつての「肩書」を信じ、多額の預金を下ろして同社に投資していた。

 「キャピタルインベストジャパンは都内に何件も不動産を持っている。安定した家賃収入が得られるから、10%の利回りも可能」

 都内の50歳代の男性会社員は昨年5月、知人の元証券会社セールスマンから投資話を持ちかけられた。

 電話での勧誘を断り続けると、元セールスマンは、稲垣容疑者の顔写真と経歴が入ったパンフレットを手に、自宅を訪ねてきた。元セールスマンは、実はキャピタル社の社員だった。「社長は元代議士。安心です」と言われ、家族には内証で定期預金から100万円を出資した。

 昨年11月、警視庁が同社を捜索したことを知った会社員は、あわてて元セールスマンに連絡を取ったが、「もう会社を辞めた。関係ない」と応じてくれなかった。「出資した資金はどうなるんだ」と、会社員は声を震わせる。家族には今も、同社に出資していたことを打ち明けていない。

 埼玉県に住む70歳代の主婦は昨年夏、同社のセールスマンから「議員だった人が社長をしている。元本も保証される」と勧誘された。寝たきりの90歳代の母と2人暮らし。介護に追われ、外で働くことも出来ない。銀行預金500万円を全額下ろして同社に預けた。しかし、配当を受け取ったのは3か月間だけで、その額はわずか7万5000円。「自分たちの葬式代まで失ってしまった」。言葉が続かなかった。

 被害者の多くは、東京都内やその周辺に住む70歳以上のお年寄りとみられている。同社は「テレホンアポインター」と称する10数人のパートの女性を雇い、電話帳をもとに勧誘。関心を持った客を見つけると、セールスマンが自宅を訪問していたという。

          ◇

 元社長稲垣実男、社長西野日出夫両容疑者のほか、逮捕された4人は、同社元役員・関智美(49)、同元役員・西野圭(38)、同元社員・津金大将(23)、キャピタル・ネット・サービス社長・今坂祐二(56)の各容疑者。警視庁では、逮捕状の出ているほかの1人についても、所在が確認でき次第、逮捕する方針。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040611-00000401-yom-soci