2004年06月10日(木) 23時31分
<日本テレビ>「満足度調査」など新設 視聴率事件で対応策(毎日新聞)
日本テレビの視聴率買収工作問題を受け設立された、同社取締役会の諮問機関「新しい番組評価基準を考える会」(外部有識者委員8人で構成)の答申が10日、まとまった。答申は「視聴率を過大評価せず、多様性を認識したうえで有効に活用すべきだ」などとした。これを受けて同社は「テレビ番組視聴満足度調査」の新設など四つの「対応策」を明らかにし、視聴率について継続的に検討し、視聴者や広告主に魅力的な番組を提供していく、と表明した。
「満足度調査」は番組の質的評価を調べるため従来行っていた「Qレート調査」を改良、年代別個人の満足度を4段階で表現する。民間の調査会社に委託、年4回の番組改編期と年3回の特番期に東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県在住者5400人を対象に郵送で調査する。他は、視聴者の意見を聴き番組を企画、制作、放送する視聴者番組企画会議の開催▽報奨・顕彰制度の充実▽ディレクターらが日曜早朝の番組に出演して番組の企画意図(マニフェスト)を視聴者に表明する——の三つ。10月改編の全番組を満足度調査の対象にする方針。
「考える会」の委員らは同日会見し、答申に向け議論した内容を明らかにした。「番組の質を評価する統一基準」という当初の検討課題について委員の間では「あらゆる表現の『質』は数値化できるものではない」(脚本家・大石静氏)といった声が大勢を占めた。個別意見で「ノー視聴率デーをつくっては」(演出家・テリー伊藤氏)との提案もあったが、萩原敏雄副社長は「民放全体が取り組むべきテーマ」と述べ、広告主を含む業界全体の努力の必要性を強調した。【中島みゆき、内藤陽】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040611-00000098-mai-soci