2004年06月10日(木) 19時03分
架空請求、6700万円被害 今年1〜4月に205件−−県警まとめ /茨城(毎日新聞)
利用した覚えがない携帯電話の情報料などを請求される詐欺被害が急増、県警がまとめた統計では今年1〜4月の間に205件約6700万円に上ることが分かった。1度支払うと再度請求してくることもあるだけに、県警や県消費生活センターでは注意を呼びかけている。【長野宏美】
架空請求による詐欺について、県警はこれまで「悪質商法」や「ハイテク犯罪」などに分類していた。しかし、続発する被害の実態を把握するため、単独分類して統計をまとめた。
県警生活安全総務課によると、今年1〜4月末までに県警に寄せられた架空請求の相談は5404件で昨年同時期の約2・5倍。内容別では、携帯メールなどの有料サイトが約65%、債権回収が約30%と全体の約95%を占める。被害額も205件約6700万円に上り、わずか4カ月で昨年1年間の被害額355件約8900万円に迫る勢いだ。
県警では「被害者と面会しないので、加害者が特定されにくいと考えるからではないか」と急増の背景を分析する。
県消費生活センターでも昨年夏以降、架空請求の相談が増え始め、今年5月には水戸の相談室だけで全相談件数の約43%を占める621件(前年同月337件)の相談があった。
手口も巧妙化しているという。今月初旬、水戸市に住む主婦(85)の自宅に、13年前に亡くなった夫あての督促状が届いた。はがきには「最終通告」などと書かれ、「電子通信料金未納分について大至急お支払い下さい。連絡がなければ給与や動産物を差し押さえます」などと脅し文句が並んでいた。連絡先として携帯電話の番号などが書かれているが、請求額や振込先は記されていない。
「おれおれ詐欺」と同様にインターネットなどで不正取得した口座に振り込ませる手口が目立つが、凍結されるのを警戒して口座番号が書かれていないケースも。さらに「銀行に着いたら金額を教える」などと、手の込んだ指示を出す場合もあるという。
県消費生活センターは「請求書を見て電話をかける人なら『金が取りやすい』と考えるのか、最近は請求額が数十万円と高額になっている。1度払うと再度請求されることも多いので、相手に連絡せず、相談してほしい」と呼びかけている。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040610-00000001-mai-l08