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2004年06月10日(木) 20時47分

<敷金訴訟>修繕費の返還命令確定 公社側の上告退ける毎日新聞

 兵庫県尼崎市の男性が賃貸マンションを引き払う際、敷金から不当に修繕費約21万円を差し引かれたとして、管理する同県住宅供給公社(神戸市中央区)に返還を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は10日、公社側の上告を退ける決定を出した。ほぼ全額の返還を命じた大阪高裁判決(昨年11月)が確定した。

 関西の弁護士らでつくる敷金問題研究会によると、公社側に敷金返還を命じた判決が確定したのは初めて。係争中の同種訴訟が他に4件あり、影響を与えそうだ。

 小法廷は「公社側の上告理由は(判例違反など法律で定めた要件を欠いており)受理すべきものとは認められない」と述べた。

 高裁判決によると、男性は95年8月から1年半、公社の賃貸住宅に入居した。退去時に通常は「自然損耗」として家主側が負担すべき畳や、ふすまの張り替え代などを徴収された。公社との契約には「原状回復費用は借り主負担」とする特約があり、1審は特約を有効と認めたが、2審は「借り主が特約に同意したとはいえない」と逆転判決を言い渡した。【小林直】

 敷金問題研究会の共同代表、増田尚弁護士の話 国土交通省は「標準契約書」により、自然損耗を借り主に負担させないよう指導しているが、近畿地方の11公社のうち6公社がこれに反する契約書を交わしている。こうした契約書の変更を迫る判断で影響は大きい。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040611-00000090-mai-soci