2004年06月09日(水) 00時00分
少年事件で議論、教育長「事実の把握困難」(朝日新聞・)
尊い命が学校で奪われた佐世保市の事件を巡り、8日の県議会一般質問で県の教育方針が改めて問われ、具体的な対策を求める声が相次いだ。今回はインターネットのやりとりが背景にあったとされることから、ネット普及の実態やモラルも話題にのぼった。
インターネットが少年期に与える影響について、質問が出た。立石暁教育長は、顔の見えないやりとりが思わぬ誤解を生み、人間関係の亀裂を招く可能性を指摘。「コミュニケーションの手段としてのチャットやメールそのものを問題にするのではなく、使う側のモラルを考えることが重要だ」と答えた。
総務省の通信利用動向調査によると、全国のパソコンや携帯電話、ゲーム機などのインターネット利用人口は02年末で6942万人。前年比で1349万人も増えている。普及率は同10・5ポイント増の54・5%で、初めて全人口の半数を超えた。県内の普及率は35・5%で、全小中高校のパソコンがインターネットを使える環境になっている。
だが、学校の情報教育の統一マニュアルはなく、管理は各学校の裁量に任されているのが現状だ。県教委は「教師には研修でしっかりモラルを伝えている」と説明するが、今回の事件後、インターネットの利用状況の実態調査を始めた。
昨年7月の園児殺人事件以降の教育方針も問われた。道徳教育が具体性に欠けることや、思春期の子どもが過激な映像やゲームにさらされている現実が指摘され、条例による規制を求める声も出た。
「昨年の事件を検証し、問題行動の原因を本当に理解しているのか」との問いに、立石教育長は「児童福祉法や少年法など児童保護の観点から高い壁があり、事実の把握が難しい」と苦しさをのぞかせた。
(6/9)
http://mytown.asahi.com/nagasaki/news02.asp?kiji=3899
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