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国際航空運送協会(IATA)は8日までの2日間、シンガポールで開いた年次総会で、航空券売買をインターネットでおこなう「電子チケット」化を07年に全面実施するとの目標を決めた。米同時多発テロ後の乗客減少傾向に対し、経費削減策として業界をあげて進める方針だ。
IATAによると、年間3億枚の紙の航空券が発行され、印刷、発送、保管などで1枚あたり計9〜10ドルかかる。これを、利用者の携帯電話やパソコンから、インターネットを通じて、紙を使わない形ですべて買えるようになれば、年30億ドルのコスト削減ができると試算する。客側もチケット入手がすばやくでき、券を落とす不安もなくなるという。
このほか、機内に預ける旅客荷物についても、電子チップによる管理で統一することを決めた。現在、主要会社が運ぶ荷物の個数のうち0.7%が目的地に着かない。そこで、電子チップ管理で行方不明になる荷物を減らし、再発送費などを30〜40%減らすという。
IATA事務局は今回の総会で、原油高騰が各社の経営に与える影響について、「収支が均衡するのは1バレル=33ドルで、1バレル=36ドルで推移すれば、加盟社全体で30億ドルの赤字要因になる」との懸念も示した。
IATAは世界の定期航空会社275社、国際線運航会社の98%が参加する団体。
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電子チケットは、パスポートなどで本人であることを証明できれば、紙の券なしで乗れる仕組み。米国では大手を中心に一般化し、日本の大手2社も自社運航便では乗客の希望で使える。
ただ、違う航空会社を乗り継ぐ場合、両社のコンピューターシステムの調整が必要。IATA加盟各社は、経営状況もシステム整備の状況も異なり、日本の大手には「07年に一斉に電子チケット化ができるとは考えにくい」との見方がある。(06/08 21:06)