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違法な性風俗店を減らすため、警視庁が新たな作戦を展開している。摘発した店が入るビルのオーナーに「性風俗店には二度と貸さない」という誓約書を書いてもらい、それを破れば風営法違反の幇助(ほうじょ)容疑で立件対象にする。いわばイエローカード作戦で、抑止効果も出始めている。一方、摘発逃れのために「合法」をうたう新手の店も登場し、「いたちごっこ」は依然続いている。
生活安全部によると、都公安委員会の許可を受けた性風俗店はソープランドとファッションヘルス計347店。都条例で認められた台東区千束4丁目にあるか、禁止区域を定めた現在の風営法が施行された85年以前から営業する店だ。実際は都内にこの何十倍もの性風俗店があるとされ、いずれも禁止区域(地域)での違法営業に当たる。
生安部はこれまで性風俗店の摘発に取り組んできたが、限界があるうえ、摘発しても別の店が次々と開業する。
そこで発想を転換し、テナントの店が摘発を受けたビルのオーナーが、再び性風俗店に部屋を貸した場合、貸主が違法営業を助けたとして立件する方針を打ち出した。場所が提供されなければ違法営業もできないという抑止効果を狙っている。
法的には幇助罪は今回のような警告をしなくても適用できる。しかし、貸主が違法営業を知っていたかどうかの立証が難しく、適用は見送られてきた。
手始めは池袋地区。1〜3月に69の個室マッサージ店などを摘発し、悪質な客引き行為を含め計116人を逮捕した。摘発した店が入る計22カ所のビルのオーナーらを現場に呼んで現状を見てもらい、誓約書を書いてもらった。
今のところ効果はてきめんで、同地区では、店の看板が空白になっているビルが目立つ。テナントが摘発されたあるビルのオーナーは「客引きをさせないなど迷惑がかからないように営業してきたのに……。賃料収入が減って大変だ」と嘆く。
一方、摘発逃れを図るため、新手の店も登場している。6畳ほどの部屋にソファなどを置いた「レンタルルーム」。都公安委に届けを出した無店舗型の風俗店から女性を派遣させることで、ルーム側は「合法」をうたう。
だが、生安部は双方の資本や経営に密接な関係がある場合、実質的には性風俗店だとして摘発する方針だ。
池袋では効果を上げていても、新宿・歌舞伎町では事情が異なる。複数のリース業者によってテナントに又(また)貸しされているビルが多く、契約関係が複雑な物件が多い。店が摘発されても警察の呼び出しに応じないオーナーもいるという。生安部幹部は実態解明の難しさを認めながらも、「歌舞伎町でもオーナー側の責任を問いたい」と話している。(06/07 17:37)