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2004年06月05日(土) 00時00分

小6少女@現在 <1> 友人関係 東京新聞

 長崎県佐世保市の小学校で6年生女児が同級生を殺害した事件は、同年代の子どもを持つ親たちに衝撃を与えた。友人関係の中で生じた怒り、そして殺意…。「なぜ?」と大人たちは戸惑うばかりだ。少女たちに何が起きているのか。心と体、友達など、小6少女たちの「現在」をシリーズで探る。 (生活部取材班)

■秘密ばらされるのすごく嫌

 仲良し同士がどうしてあんなことに。背景には、この年齢の女の子特有の問題があるのだろうか…。今どきの小六の友人関係を知りたくて、同じ学習塾に通っている女の子四人組に集まってもらった。

 答えてくれたのは、東京都大田区内の公立小学校に通う今野裕美さん、坂元佑夏里さん、高橋みどりさん、宇野由梨奈さん=いずれも十一歳。

     ◇

 −女の子同士でトラブルになるのはどんな時?

 「秘密をばらされた時はすごく嫌。好きな男子のこととか、本当は好きじゃない友達のこととかを言われたら困る」(高橋さん)。「ばらされるとあっという間に隣のクラスまで広まって、男子からワイワイ言われたりするから」(今野さん)。「話しているのは愚痴ばっかり。だから、広まるとまずい」(宇野さん)

■『口げんかしても直接話し合う』

 −けんかになるときってある?

 「口げんかならある。でも、何が嫌なのかを直接話し合って解決する。後は時間がたてば自然と仲直りできる」(宇野さん)。「大げんかにはならない。嫌なことを言い合っても次の日には元通りに直って『ハロー』って言える」(高橋さん)

 −ほかの友達同士がけんかしてる時ってわかるもの?

 「すぐわかる。そういう時は怒ってる子に何が嫌なのかを聞いて、もう一人の子に直した方がいいところを教えてあげる」(今野さん)。「『話し合おうよ』って言ったり、どちらかがどちらかをいじめてる時はいじめてる方を止める」(坂元さん)

 −インターネットでもやりとりするの?

 「この四人はメル友だから、『いつ遊ぶ?』とかメールしてるけど、掲示板はやり方がわからない」(宇野さん)。「メールより交換日記が楽しい。一番多い時は六種類ぐらいやってた」(高橋さん)。「二、三人から六人ぐらいで日記帳を買って交換。秘密もいっぱい書く」(今野さん)

 −今回の事件のことを聞いてどう思った?

 「カッターを首にあてるのは想像したけど、それ以上考えたら怖くなった」(今野さん)。「口げんかはするけど、女子同士は暴力はふるわないと思ってたから怖かった」(坂元さん)

 −仲良しだった友達同士がなぜああなってしまったと思う?

 「遊び半分だったのに相手は本気で怒っちゃったんじゃないかな」(今野さん)。「急に嫌なことがワーって湧(わ)いてきたんだと思う」(宇野さん)。「何でもないと思ったことが、相手にとってはすごく嫌なことだったんだと思う」(坂元さん)。「ささいなことがきっかけで大きなことが起きちゃったような気がする」(高橋さん)

■母親から見た子どもたち

 そんな子どもたちを親はどんな思いで見つめているのか−。

 川崎市多摩区の小六の女の子(11)の母親(44)は、「友達とのトラブルは毎日。今日も、そういう話を聞いたばかり。嫌みを言い捨てて立ち去ってしまうとか、親が聞いていても陰険だなあと思う時がある」と話す。

 「六年生は友達とのトラブルが多い時期みたいで、四月の個人面談で担任教師から、何かあったら言ってください、と言われたばかり。生理が始まる子が多く、体は大人だけど心は子ども。コントロールする力がなく、ささいなことでカッとなる、という説明も受けた」と不安げだ。

 東京都足立区の母親(40)は、「小六の娘は何をするにもクラスの女の子と一緒。自分用の本を買うとか個人的な用事でも一緒に行く。友人関係を大事にしているともいえるが、仲間外れにされることをすごく気にしているようだ」と語る。

 「家では、何を言っても親にはまともに反発しないので、正直、手がかからない。でも、そういう子ほど心配だと思わないといけないのかも」と表情を曇らせた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20040605/ftu_____kur_____000.shtml