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テレビ朝日の番組で名誉を傷つけられたと、自民党の藤井孝男元運輸相が「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC、委員長・飽戸弘東洋英和女学院大教授)に人権救済を申し立てた問題でBRCは4日、藤井氏への人権侵害を認め、テレビ朝日に事実経過の放送などを求める勧告を出した。公人である政治家の申し立てを認めたのは初めて。テレビ局への勧告は4件目で、このうちテレビ朝日には2件目。
番組は昨年9月15日に放送された「たけしのTVタックル」。自民党総裁選と北朝鮮問題を取り上げ、藤井氏が97年2月3日の衆院予算委員会でやじを飛ばしている映像を流した。藤井氏は「野党議員の拉致被害者に関する質問とはまったく関係がない映像を、切り張りして編集した捏造。拉致問題に極めて消極的な人物との印象を視聴者に抱かれた」とテレビ朝日に抗議するとともに、BRCに申し立てた。
これについてBRCは「放送は藤井氏の名誉を侵害した」「故意の編集とまでは言えないがチェックを怠る重大な過失があった」「テレビ朝日は事後に藤井氏の名誉回復措置を取り、謝罪した」「一般視聴者への説明責任は果たされていない」との見解を示した。
その上で「テレビ朝日に対し委員会決定の主旨を放送するとともに社内に徹底し、社内体制の整備を図り、正確な放送に努めるよう勧告する」と結論づけた。
テレビ朝日は「勧告を真摯に受けとめ、主旨を社内に徹底します」とコメントを発表。4日の報道番組「スーパーJチャンネル」で放送した。
藤井氏は「テレビ朝日による名誉回復措置がなされたとは思いません。BRCが勧告した一般視聴者に対する説明責任の履行の中で、被害者の心情に留意された対応を取られることを期待する」とコメントした。(06/04 19:16)