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2004年06月03日(木) 14時36分

ヤミ金など悪徳商法めぐる相談、前年比8倍増に 警察庁朝日新聞

 身の回りのトラブルなどについて全国の警察に寄せられた昨年1年間の相談件数が、前年よりも43.5%多い約152万件に上り、中でもヤミ金融や高額商品の売り付けなどの悪徳商法をめぐる相談が前年の8倍を超える約52万7000件に達したことが、3日付の警察庁のまとめで分かった。アダルトサイトの利用料と称する架空請求やネットオークションで購入した商品が届かないケースなどネット関連の相談も約2.8倍の約3万8000件に急増した。

 悪徳商法に絡む相談は全体の約35%。法定金利を超える金利を取るヤミ金融業者から多額の借金を背負った人が、「すぐに返済しないと会社に電話する」などと脅されたという内容の相談が相次いだ。相談者は、違法金利とよく認識しないで借りている様子だという。

 アダルトサイトの架空請求をめぐる相談内容からは、昨年増えたオレオレ詐欺のように、一方的に指定した口座に振り込ませる手口が増えている様子がうかがわれるという。

 このほかの相談では、私人間での金の貸し借りや不動産売買などの契約関係13%▽不審者や痴漢が出る、無言電話などの被害防止9.3%▽性被害などの刑事事件絡み6.7%▽家庭内の離婚などのもめごと6.3%——などだった。

 相談を受けた警察の措置は、助言・指導77%、警告・説得2.2%、検挙・補導0.5%。

   ◇

 ヤミ金やネット詐欺などの警察への相談が増えているのは、「おいしい商売」として、新規参入業者が急増していることが背景にある。

 「債務者1人あたり10件前後だったヤミ金業者の数が、昨年からは100件を超える人が増えた」。ヤミ金問題に詳しい伊東良徳弁護士は、相談に来る債務者の変化を語る。

 返済に行き詰まると、業者から別のヤミ金を紹介される。頻繁に業者からダイレクトメールや融資の電話が届く。半年で百数十件、数千万円の借金をつくった人もいた。「手早くもうかる」と参入する業者が増え、業者間のネットワークもでき、何度もカモにされる傾向が強まったという。

 伊東弁護士は「ヤミ金には元本も含め一切返さず、弁護士に相談してほしい」と話す。

 都内在住の会社員はある日、身に覚えのない会社から「利息分を含め、50万円を振り込んでください。期限は明日です」とする督促メールを受け取った。

 興味半分で1回だけのぞいたインターネット上の有料サイトの債権を受け継いだと説明されていた。末尾に、「期限を過ぎるようだと、お宅に参上します」とあった。

 消費者問題に詳しい村千鶴子弁護士によると、こうした架空請求による被害も最近急増しているという。対策は「業者から請求や問い合わせがきても無視することに尽きる」。「いったん電話をすると、業者はさまざまな個人情報を引き出し、それをもとに恐喝行為をしてくるケースが多いので注意が必要だ」と警告する。

 国民生活センターによると、ヤミ金融を含む消費者金融絡みの相談は、03年度は約20万件と前年の倍になった。架空請求の相談は02年度の約2万件が03年度には約13万件と激増した。(06/03 14:36)

http://www.asahi.com/national/update/0603/019.html