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◆ファン心理突く
「これ、儲(もう)かるよ」。同じ市立中学の同級生だった二人は、自宅のパソコンでチケット売買のネット掲示板を眺め、つぶやいた。人気歌手のコンサートチケットを求める書き込みがいくつもあった。一人が携帯電話にメールを打ち込んだ。
「前から八列目。席は連番」。慎重だった被害者もつい心が動いた。
◆団地ポストで
金の受け取りには知恵を絞った。選んだのは、鍵のない自宅近くの団地の集合ポスト。見知らぬ複数の団地住民宅を送付先にし、普通郵便で金を送るよう指定した。
「妻に知られたくないので代金は姉の家へ」。顔が見えないのをいいことに既婚者を装った。だが、二人が回収する前に郵便を受け取った女性(47)が二月に泉署へ相談。事件が発覚した。
◆(秘)ノート
主犯格とみられる泉区内の少年は、被害者のメールアドレスや売り物、代金などをノートに記録していた。「犯行は複数同時進行。誰に何を送るか忘れないためだろう」と県警。表紙には「(秘)ノート」とフェルトペンで太書きし、犯行に使うつもりだったのか、最近開設した少年名義の銀行口座の番号も記してあった。
結局、犯行は昨年十一月からの四カ月で約三十件に上るとみられる。被害者は十五−二十九歳の若者だった。
◆全国に被害拡大
県内では三月、出会い系サイトで交際相手を募り金を詐取したとして、横須賀市内の当時中三少女(15)が詐欺容疑などで逮捕されたばかり。匿名性の高いネットを悪用した犯罪が未成年に広まる現状に、県警も「ネットを介した犯罪は全国に被害が広がる。厳しく対処する」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040603/lcl_____kgw_____001.shtml