2004年06月03日(木) 12時18分

＜オウム真理教＞信者らを薬事法違反容疑で逮捕（毎日新聞）

　オウム真理教（アーレフに改称）信者らが無許可で医薬品を販売したとして、警視庁生活安全、公安両部と小金井署などは３日、東京都杉並区西荻北３、同教団東京道場長、井上崇容疑者（３５）ら信者７人を薬事法違反（販売）容疑で逮捕、立川市柴崎町１の自営業、中野清（３６）と元妻、中野江梨（３２）の両容疑者＝いずれも製造容疑で既に逮捕＝を同容疑で再逮捕した。同庁は西荻北３の東京道場など約２０カ所を家宅捜索し、収益金の流れの解明を始めた。

　調べでは、井上容疑者らは「漢宝堂」という名称でアトピーなどに効くという触れ込みで中国製皮膚薬「桃源クリーム」を販売しようと計画。都知事の許可がないのに、昨年３月から今年４月まで女性ら１２人に計６３個（計約５０万円相当）を販売した疑い。

　同クリームのステロイド成分で肌が荒れるなどの副作用が報告されているという。昨年２月から約５８００個を販売し、約４６６０万円を売り上げていた。

　井上容疑者がヨガ道場で知り合った中野容疑者に職を探していた女性信者５人、男性信者１人を紹介した。顧客には１個８０００円で薬を販売し、信者は１個あたり４５００円の手数料を受け取っていたという。中野容疑者はこのほかにも、千葉、長野、山梨県などで信者を含む約２０人を「代理店」として販売活動に使っていたらしい。

　東京道場の家宅捜索は午前７時過ぎに始まり、捜査員約３０人が入った。発注文書、顧客名簿、クリーム容器などを押収し、容疑者らが捜査員に連れられて捜査車両に乗り込んでいった。

　道場はＪＲ西荻窪駅近くの閑静な住宅街にあり、通勤途中のサラリーマンや高校生らが捜索を不安げに見ていた。男性会社員（４０）は「ここ２、３年は近隣住民とのトラブルも少なくなってきたのに」と驚いた表情だった。（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040603-00001027-mai-soci