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2004年06月02日(水) 03時34分

小6女児、同級生を殺害 カッターで切り付け 長崎・佐世保産経新聞

給食時「呼び出した」
 一日午後零時二十分ごろ、長崎県佐世保市の市立大久保小学校で、毎日新聞佐世保支局長、御手洗(みたらい)恭二さん(四五)の長女で六年生の怜美(さとみ)さん(一二)が同級生の女児(一一)に首などを切られた。怜美さんは出血多量で間もなく死亡した。佐世保署は切り付けた女児を補導し、佐世保児童相談所に通告した。長崎県警は、現場の状況や凶器の種類から殺人事件として調査した。女児は「大変悪いことをした」と話したという。
 市教委によると、被害者と加害者はほかの一人を加えた三人でパソコンのチャットをする仲間だったといい、担任は「被害者と加害者はむしろ仲が良かった。どうしてなのか分からない」と話しているという。
 女児は、給食時間の午後零時二十分ごろ、校舎三階で少人数指導で使われる学習ルームで怜美さんの首の右側付近などをカッターナイフで切り付けた疑いが持たれている。
 司法解剖の結果、死因は、首を切られたことによる失血死だった。
 県警は署内で動機などについて女児から事情聴取した。「呼び付けて、切った」と自身の行為であることを認め、涙ぐみ「ごめんね。ごめんね」と繰り返したという。特に取り乱すこともなく、聞かれたことに落ち着いて答えているという。途中から、女児の両親も聴取に立ち会った。
 県警は一日夜の会見で、動機については「調査中」と説明。二人の間のトラブルも「把握していない」とした。
 二人がいた六年生のクラスは午後零時十五分に給食の準備を始めた。同三十五分に男性の担任が「いただきます」という際に、怜美さんと女児がいないのに気付いた。
 しばらくして、女児が血まみれでカッターナイフを持って給食中の教室に入ってきた。その際、女児は「私の血じゃない。私のじゃない」「怜美さんは学習ルームにいる」と話した。担任が怜美さんを捜したところ、学習ルームに倒れていた。同四十五分の一一九番で救急車が到着したが、うつぶせで倒れていた怜美さんに脈はなく、現場で死亡が確認された。
 怜美さんには、首に深い傷があり、両手には防御した際にできる細かな傷もあった。ナイフは女児のものだったという。
 通告後、児童相談所は収容施設がないため、佐世保署に加害女児の一時保護を委託した。二日に処遇会議を開き、女児に対する措置を決める。
 大久保小は児童数百八十七人。各学年一クラスで、六年は三十八人。同校は同日午後一時二十分、五年生以下の全児童を早退させた。六年生は県警が事件の経緯について事情を聴いた。
 怜美さんは、御手洗さんの長女で、三人兄妹の末っ子。御手洗さんの転勤で平成十四年四月、大久保小に転入した。
     ◇
≪補導、相談所に通告≫
 怜美さんを切りつけた女児は十一歳。十四歳未満のため、刑法の処罰対象から除外される「触法少年」に当たり、警察(佐世保署)は事情を聴くことしかできず、児童福祉法に基づいて補導し、殺人の非行事実を佐世保児童相談所に通告した。今後、児童相談所が調査して、児童を更生させる自立支援施設などに入所させるか、家庭裁判所に送致するかを決定。家裁に送致された場合は少年審判などを経て、施設などへ収容するか、在宅で保護観察処分にするかを決める。(産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040602-00000000-san-soci