2004年06月01日(火) 21時20分
<新車販売台数>5月分、三菱は前年の5割を割り込む(毎日新聞)
日本自動車販売協会連合会が1日発表した5月の新車販売台数(軽自動車を除く)の速報によると、21日に経営再建計画を発表したばかりの三菱自動車は前年同月比56.3%減の4213台と、前年実績の5割を割り込んだ。同社の単月の下落幅としては、過去10年間で最悪。三菱ふそうトラック・バスのリコール(回収・無償修理)隠しが相次いで発覚し、安全・品質管理への消費者の信頼感が大きく揺らぐなか、三菱自の顧客離れに拍車がかかったとみられる。
販売の著しい不振の背景には、昨年5月に発売したミニバン「グランディス」の新車効果が薄れたことや、02年11月発売のコンパクトカー「コルト」の販売が低迷していることによるヒット車不在が響いている。
さらに、三菱自からトラック・バス部門が分社した三菱ふそうのトラック脱輪事故につながったリコール隠しが3月以降相次いで発覚した影響で、乗用車もブランドイメージが低下。4月から2カ月連続でマイナス幅が拡大した。リコール事件を受けて3月下旬〜5月下旬に新車販売の広告宣伝を自粛したことも、販売低迷に追い打ちをかけた。
また、全国軽自動車協会連合会が同日発表した軽販売速報も、主力の「eKワゴン」が落ち込み、同27%減と三菱自は独り負けの状態が続いている。
三菱自は04年度上半期(4〜9月)の国内販売計画(軽を除く)で、目立った新車投入の予定がないことやリコール問題の影響を織り込んで、前年度同期比36.5%減の4万台を想定している。しかし、4〜5月の累計実績は前年同期比41%減と、その予想を下回る水準だ。
同社はコルトの特別仕様車などを相次いで発売することで販売てこ入れを目指すが、販売の不振が長期化すれば、「再建の最後のチャンス」(岡崎洋一郎会長兼社長)と位置づけた再建計画の行方にも深刻な影を落としかねない。
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5月の新車販売台数(軽自動車を除く)は、前年同月比10.6%減の26万390台だった。各社とも目立った新型車がなかったため、乗用車が同11.1%の大幅減。トラックも環境規制強化前の駆け込み需要が一巡したことで、同7.7%減となった。メーカー別では、今年に入って新型車のないトヨタ自動車が6.8%減。日産自動車、ホンダ、マツダも軒並みマイナスだった。【坂井隆之】(毎日新聞)
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