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2004年06月01日(火) 14時50分

三菱自「ヤミ改修」すら形だけ、ネジ締めて完了読売新聞

 三菱自動車(昨年1月に商用車部門が三菱ふそうトラック・バスに分社)が、大型車のクラッチ部品の欠陥を隠していた問題で、同社が欠陥を隠ぺいするために1996年からひそかに実施したとしている「改修」は、部品の修理や交換を伴わない形だけのものだったことが分かった。このため、事故の危険性が放置されたまま、リコールの手続きが取られないという状態が続いた。

 今回、リコール(回収、無償交換)の対象となった大型トラックの部品「クラッチハウジング」の不具合は、94年に起きた初の人身事故を機に、社内で対策の検討が進められたが、当時の経営陣の判断でリコール回避が決まった。

 しかし、放置して事故が多発する事態を避けるため、品質保証部門幹部の提案で、96年から、販売店を通じてひそかに問題部品の修理を行う“ヤミ改修”を2000年まで実施した、とされている。

 三菱ふそうは、リコール届け出を正式表明した5月20日の記者会見で、こうした改修について「2000年まで続けていた」と認めており、当時の三菱幹部も、捜査当局の調べに対し、「改修がなければ事故はもっと増えていた」と供述している。

 しかし、関係者や国土交通省などの調べによると、当初は補強部品を装着することが検討された“ヤミ改修”は、実際には、ユーザーが定期点検や整備で販売店に車両を持ち込んだ際に、問題の部品の周辺にガタつきがないかを調べるだけという内容。問題が見つかった場合も、接続部分のネジの締め付けを強化するだけだったという。

 ネジの締め付けだけでは、いずれ接続部分が緩んでクラッチハウジングが破断する可能性は消えず、事故防止の効果はほとんど期待できない。国交省も「とても事故の多発を防げる内容ではなかった」としており、同社がリコールを避けようとしたばかりか、改修で事故の危険性を減らす努力すら実際には怠っていたことを認めている。

 改修は通常、新たな補修部品の装着や、部品自体の交換を意味するが、すでに欠陥隠しの方針を決めていた当時の同社では、改修が大がかりになれば、運輸省(当時)に発覚する恐れがあるとして、そこまでの措置はとられなかったという。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040601-00000406-yom-soci