2004年05月31日(月) 15時04分
<ヤフーBB事件>株空売りなど売却プラン作成 冨安容疑者(毎日新聞)
ブロードバンドサービス「ヤフーBB」の顧客情報流出を巡る恐喝未遂事件で、ハッカーの無職、冨安泰生容疑者(24)=恐喝未遂容疑で逮捕=が「データベース売却プラン」と名付けた文書を作成し、政治団体幹部、森洋被告(67)=同罪で公判中=に示していたことが、警視庁捜査1課の調べで分かった。冨安容疑者は「(情報が)恐喝に使われるとは知らなかった」と容疑を否認しているが、同課は積極的に事件に関与したとみて追及している。
調べでは、冨安容疑者は昨年5月から、ヤフーBBを運営する「ソフトバンクBB」(東京都中央区)の元派遣社員から聞き出したパスワードなどを使い、頻繁に同社のサーバーに侵入していた。そのうえで昨年12月、「データベース売却プラン」を作成、報酬を目当てに森被告に持ち込んだとみられる。
今年2月、森被告の自宅から押収されたプランには、(1)ソフトバンクから現金を脅し取る(2)名簿業者やソフトバンクのライバル社に売却する(3)情報漏えいを公表すると株価が下がるので株の空売りをしてもうける——の3案が書かれていた。
森被告はこの中から現金を脅し取る案を選択。「もっと多く引き出してくれ」などと指示された冨安容疑者は1月12日夜、新宿区大久保のインターネットカフェで460万人分の顧客情報を引き出した。森被告は同21日、ヤフーBB代理店副社長、湯浅輝昭被告(62)=同=に指示して、「顧客情報を入手した。流出を公表したら株価が暴落する」などとソフトバンクを脅した。
同課は30日、冨安容疑者が逃亡先の東南アジアから帰国したところを逮捕した。冨安容疑者は「侵入は簡単だった。セキュリティーが甘かった」などと供述しているという。【川辺康広、宮川裕章】(毎日新聞)
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