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2004年05月28日(金) 13時56分

<オウム真理教>井上被告に2審は死刑 1審無期懲役を破棄毎日新聞

 12人が死亡した地下鉄サリン(95年3月)など10事件で殺人罪などに問われたオウム真理教(アーレフに改称)元幹部の井上嘉浩被告(34)に対し、東京高裁は28日、無期懲役の東京地裁判決(00年6月)を破棄し、検察側の求刑通り死刑を言い渡した。山田利夫裁判長は「地下鉄事件でサリン散布役と同等の責任があり、それだけでも極刑は免れない」と指摘した。

 教団幹部の死刑判決は13人目で、地下鉄サリン事件に関与した被告では10人目。1審で無期懲役以上の判決を受けた被告の量刑が2審で変わるのは初めて。被告側は上告した。

 判決は「被告は事件の解明に協力し、反省をいっそう深め、罪の大きさに打ちひしがれ、しょく罪にも努めている。しかし量刑の判断は、犯罪の様態や結果、被告の役割といった行為が中核的な要素になるのを考えると、悲惨な結果をもたらした地下鉄事件の刑事責任だけで、優に死刑に値する」と述べた。

 一連の裁判では、首謀した松本智津夫(麻原彰晃)被告(49)=控訴中=とともに地下鉄サリンの生成役と散布役は特段の事情がない限り死刑、運転手役は無期懲役との司法判断が定着している。

 判決は、井上被告は同事件で(1)リムジン車内での謀議でサリン散布を最初に発案した(2)決行時刻の決定に関与した(3)東京都内のアジトを使えるようにした——と認定。その役割を「後方支援役」とする1審判決、「現場指揮者」とする検察側主張をともに退けて、「松本被告、村井秀夫元幹部(故人)と実行役との間に立つ総合調整役だった」と評価し、1審よりも責任を重く見た。

 1審判決が死亡の責任までは認めなかった仮谷清志さん(当時68歳)監禁致死事件については「監禁と麻酔薬投与による死亡には因果関係がある」として、逮捕監禁致死罪の成立を認めた。

 井上被告は、地下鉄サリン▽元信者の落田耕太郎さん(当時29歳)殺害▽3人へのVX襲撃▽仮谷さん監禁致死▽教団施設への火炎瓶投げ込みなど2件の自作自演事件▽新宿駅青酸ガス▽都庁郵便爆弾——の各事件で起訴されている。【清水健二、坂本高志】

 ◇「真実明らかに」高橋シズエさん

 判決後、地下鉄サリン事件の遺族、高橋シズエさん(57)は会見し、「死刑判決には満足しています。事件さえなければこういう生活ではなかったと思う度に怒りと憎しみがわいてくる。死刑執行までに真実を明らかにする時間が(井上被告には)残っている」と話した。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040528-00001050-mai-soci