2004年05月28日(金) 12時48分

オウム井上被告に死刑　東京高裁で控訴審判決（共同通信）

　地下鉄サリンなど１０事件で殺人罪などに問われた元オウム真理教幹部井上嘉浩被告（３４）の控訴審判決で、東京高裁は２８日、「地下鉄サリン事件では犯行を確実に実行するための総合調整役を果たし、責任は散布役と同等」として、無期懲役の１審東京地裁判決を破棄、死刑を言い渡した。
　一連のオウム事件で死刑判決を受けたのは１３人となり、地下鉄事件の関与者では１０人目。１審の無期懲役から死刑となったケースは初めて。弁護側は直ちに上告した。
　判決理由で山田利夫裁判長は、松本智津夫被告（４９）＝教祖名麻原彰晃＝ら教団幹部が乗り込んだリムジン車内で、井上被告も含め、地下鉄事件の共謀が成立したと認定。「その場で井上被告が、サリン散布を発案した」と述べ、１審判決の「後方支援または連絡調整的役割にとどまる」との判断を覆した。
　また、１審判決が逮捕監禁までのかかわりしか認めなかった目黒公証役場事務長仮谷清志さん＝当時（６８）＝監禁致死事件についても、井上被告は仮谷さんの死亡にも責任があると判断した。（共同通信）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040528-00000113-kyodo-soci